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歓声がちらほら聞こえるあたり、
誰か予想外の選択をしたんだろうか。

ま、……西辺りだな、多分。
俺の予想が当たればの話だけど。





「では、黛くん。準備はいいですか?」

『…はい。』




突き進んだコーナーで
ずらりとこちらを見つめるかのように置かれている札。

う〜ん…定員も残っているのからして…
なんて一応考えてみる。





誰がどこに行ったか予測出来ないもんな…。
考えてみて、俺。
自分の声に耳を傾けて。


さぁ、どこに行きたい?







体の負担も考えての上のバランス。
それだったらボーカルが適当だと思う。

…だけどHIDDENも気になるな。
生き残るのが先か、体力温存が先か。





そんなことよりも。
俺は、何を伝えたいんだっけ?









こういう時は、思い出す。
俺は、どんなアイドルになりたかったか。





"言葉で伝えたい。
自分の、メロディーに乗せて。"





1枚を手に取って
ぎゅっと離さないように握りしめながら
奥の場所に進んだ。









「お、Aか次。」

「どこ来るんですか??」




興味津々な練習生たちに、少し揺さぶってみる。

『どこに行くでしょうか〜?』







「え!!!ここっすか!?」

大夢のキラキラした顔を、俺は。







『………ここ。』

残念だけど隣のレーンから眺めることにしよう。







"花束の代わりにメロディーを/清水翔太"

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VBS - この度は完結おめでとうございます。黛くんの心情がとても丁寧に描写されていて読み進めるたびにデビューできなかった他の練習生とリンクし最終話近くから涙が止まりませんでした。素敵な作品をありがとうございました。 (2021年7月1日 23時) (レス) id: 48e5768325 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:時間 | 作成日時:2021年7月1日 15時

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