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「…このタイミングでAが抜けたら、他の奴らの負担が増えるだけだぞ。来年初めにローンチする企画、Aの担当だろ」
「あれは、案件が始動する前から、山本と進捗を共有している。彼、もう一人立ちできるよ」
「川上が抜けて、お前もいなくなったら福良が死ぬ」
「大丈夫だよ。福良、ああ見えてまだ余力ある」
「企業案件の渉外担当は、」
「河村がいるし、須貝さんも積極的にヘルプに入ってくれてる。さすが最年長」
違う、違う。
俺はいかに彼女がいなくなることが損失となり、辞める罪悪感を利用し引き留めたいわけじゃない。
こんなの逆効果だってわかっている。なのに、吐き出される台詞はすべて意思と逆だ。
ここの所彼女が忙しく、スタッフ達と話し込んでいるのは知っていた。
今思えば、引継ぎの段取りを早い段階から行っていたのだと思う。
なぜ、そのタイミングで気づけなかったのか。
別にAが有能だから、一緒にいるわけじゃない。
狭いワンルームでこたつに入りながらプレミアリーグを見てた時から、俺の彼女に対する気持ちは変わらない。
クシャっと笑う笑顔も、毎朝洗面台の前で前髪と格闘する姿も、寝る前に必ず「好きだよ」という口も今もすべて好きだ。
俺の想いは何も変わらないはずなのに、日頃の怠慢と奢りで、彼女の気持ちはゆっくりと離れていく。
「A、俺、お前のこと、」
「大丈夫。もう聞きたくない」
優しい言葉を紡ぐ唇が、俺の主張を遮る。
もう俺には、言葉を尽くして説得する時間も残されていないのか。
その丸い瞳には、大きな失望が映されている。
かつて俺の姿を一心に映し、輝いていた瞳はうっすら涙で濡れていた。
こんな辛い表情なんて、一生させたくなかった。
もう話すことないよね、と、彼女は小さく言い放ち、呆然とする俺の横をすり抜けドアに手をかけた。
封筒は、机に置くことで受理と見なされる。
「おい、A!!!」
目の前が真っ白になった。頼むA、俺を、離さないで。
―――
プライドの高いizwさん。素直になるのが遅すぎた話。
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そのうち(プロフ) - 今回も最高でした…！ぐいぐい押せ押せして相手が断れないような「ご飯これからも行こう」という提案するのも溺愛されてるのも大好きです💕今までのお話もこれからのお話ももう大好きです💕これからも応援してます💕 (2022年3月30日 7時) (
レス) @page18 id: 7f613ac8c4 (このIDを非表示/違反報告)
ぼかみ(プロフ) - ありがとうございます！いつまでもおまちしております:) (2022年2月22日 0時) (レス) id: 66b1b1bb81 (このIDを非表示/違反報告)
アテ(プロフ) - ぼかみさん» >>ぼかみ様、温かいコメント頂きありがとうございます！最近また少し時間が取れそうなので、少しずつ執筆しますね:)気が向いたらまた覗きに来てください！ (2022年2月21日 23時) (レス) id: 01a98e675c (このIDを非表示/違反報告)
ぼかみ(プロフ) - 初コメ失礼します。最高でした...！特に窓の外のkoちゃんのお話が大好きで何度も読み返しています！お体に気をつけて、更新をお待ちしております。 (2022年2月8日 23時) (レス) @page4 id: 66b1b1bb81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みそ | 作成日時：2021年10月24日 0時
