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「Aの職場からは少し離れちゃうけど、最近リモートワーク推進されてるし、出社回数も減れば通勤もそれほど苦じゃないかなって」
自分の食事も丁寧に口に運びながら、会話も淀みなく進める。本当に隙のない男だ。
いや、待て。そもそも、
「福良、何度も言うが我々は付き合っていない。少なくとも私はそう自認している。付き合ってもない男女が一つ屋根の下で暮らすのはいかがなものかと」
「何度も告白してるけどAが断ってるんでしょ。A好きだよ結婚して」
「何度も言うがお断りします」
「何度も言うけど、諦めません。これからもご飯付き合ってね」
「だからこんな生産性のない食事やめ「あ、本日のデザートだって。美味しそう」
強引に会話を中断し、すいませーん、とウェイターさんを探し始めた。
納得のいかない私の表情を横目で見ながら、福良は口元に笑みを浮かべ注文する。
「ねぇA。何度だって告白は断ってくれていいし、何も求めないから、定期的に会ってご飯一緒に行こう」
福良は恥ずかしげもなく、その深い黒色の眼で、じっと見つめて言う。
その必死さに抗えず、小さくうなずいた。
まだまだ仕事も一人の時間も欲しい27歳。
結婚はまだ先の話だし、彼氏も特段必要としていないことを、毎回のように福良に説明するが、福良は一向にかまわない様子を見せている。
友達と呼ぶには関係性が薄い。
そして、付き合うには動機が足りない。
３回目に告白された後、これ以上会うのは互いの時間の浪費だと考え、福良のLINEを一週間未読無視したら、家の前で待ち伏せされ４時間説教された。
住所がどこから漏れたかこの際考えないが、流石に堪えた。
小さなガトーショコラが二つ、テーブルに置かれて、正面に座る男は満足そうに微笑んだ。
福良が異様なまでに私に会うことに固執するから、実害のないうちはこの不思議な関係を続いていくだろう。
まぁ、福良も若い男性なのだから、そのうち飽きて、私じゃ物足りなくなって、連絡来なくなると思うし、ね。
「A、今日買った本、終わったら読ませて」
「いいけど、返す時前みたく工場の門の前で待たないでね」
福良はなるべく頑張りまーすと言ってクスッと笑い、ガトーショコラにフォークを刺した。
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Spitz*冷たい頬
ヤンデレfkrさん習作。すぐ触発される…
続く
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そのうち(プロフ) - 今回も最高でした…！ぐいぐい押せ押せして相手が断れないような「ご飯これからも行こう」という提案するのも溺愛されてるのも大好きです💕今までのお話もこれからのお話ももう大好きです💕これからも応援してます💕 (2022年3月30日 7時) (
レス) @page18 id: 7f613ac8c4 (このIDを非表示/違反報告)
ぼかみ(プロフ) - ありがとうございます！いつまでもおまちしております:) (2022年2月22日 0時) (レス) id: 66b1b1bb81 (このIDを非表示/違反報告)
アテ(プロフ) - ぼかみさん» >>ぼかみ様、温かいコメント頂きありがとうございます！最近また少し時間が取れそうなので、少しずつ執筆しますね:)気が向いたらまた覗きに来てください！ (2022年2月21日 23時) (レス) id: 01a98e675c (このIDを非表示/違反報告)
ぼかみ(プロフ) - 初コメ失礼します。最高でした...！特に窓の外のkoちゃんのお話が大好きで何度も読み返しています！お体に気をつけて、更新をお待ちしております。 (2022年2月8日 23時) (レス) @page4 id: 66b1b1bb81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みそ | 作成日時：2021年10月24日 0時
