Forget you not _kwkm ページ11
もう会わない。昨日そう決めたのに、朝起きたら川上のベッドにいた。
目を覚ますと、私が絶対買わないような、おしゃれな柔軟剤の匂いが鼻孔を擽る。
服装とかあまり気にしてない素振りをして、こういうところだけ気を使っててムカつく。
隣で無防備に眠る川上の顔を一瞥し、壁側に寝返りを打った。
「おはようA。えらい早起きやん」
朝っぱらからイライラしている私の心も知らず、川上は後ろから私を抱きしめる。
白く細い腕は、付き合ってた頃から変わってない。少しは太れよ。
寝たふりをする私を知ってか知らずか、私の髪を掬い、愛しそうに撫でる。
「昨日も、気持ちよかった」
川上は、昨日の情事を振り返って呟くけど、私は正直思い出したくない。
昨日の夜のことも、別れて数年経っているのに、まだ二人で会い続けている経緯も。
私たちは大学時代、三年間付き合っていた。
就活や卒論の準備、川上はQuizKnockの立ち上げで忙しくなり、自然消滅。
連絡先も変え、私の就職先も伝えなかったのに、ある日偶然駅で会った。
社会人２年目になった私は、仕事も恋愛も軌道に乗っていたが、クリスマス前に彼氏に振られた。
何の前触れもなく別れを切り出されたので、当時大変動揺した。沢山泣いたし、同期とヤケ酒を繰り返した。
気を晴らそうと事に挑戦してみたけど、年上の彼氏の存在が私の中で大きかったみたいで、心の隙間が埋まらなかった。
そんな最中、ばったり川上と再会した。折角だから、と言って、飲みに行くことになる。
復縁したいとは一ミリも思ってなかった。川上への思いは既に風化していて、直近の彼氏の方が恋しかった。
でも、自分を良く知る元カレなら、友達として私のことを励ましてくれて、また新しい恋愛ができるよう立ち直してくれるなんて、都合よく考えてしてしまった。
結果、別れた彼氏への愚痴や仕事への不満を川上に当たり散らし、ちょっと度数の強いお酒を飲んで酩酊したところで、私の家に彼を連れ込んでしまった。
そこからはもう、ご想像どおりの顛末で。
多い時で週三回、私か川上の家に行くこの不毛な逢瀬は、年が明けても続いている。
「なぁ、風呂入らへんの」
まったりした関西弁が、欠伸をしながらいう。
「それとも、もう一回する？」
白い腕は、触っていた髪から、布団の中に入り、腰のあたりを擽る。
…冗談じゃない。
今日は夕方から合コンに行くのに、こんなところで体力を消耗したくない。
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そのうち(プロフ) - 今回も最高でした…！ぐいぐい押せ押せして相手が断れないような「ご飯これからも行こう」という提案するのも溺愛されてるのも大好きです💕今までのお話もこれからのお話ももう大好きです💕これからも応援してます💕 (2022年3月30日 7時) (
レス) @page18 id: 7f613ac8c4 (このIDを非表示/違反報告)
ぼかみ(プロフ) - ありがとうございます！いつまでもおまちしております:) (2022年2月22日 0時) (レス) id: 66b1b1bb81 (このIDを非表示/違反報告)
アテ(プロフ) - ぼかみさん» >>ぼかみ様、温かいコメント頂きありがとうございます！最近また少し時間が取れそうなので、少しずつ執筆しますね:)気が向いたらまた覗きに来てください！ (2022年2月21日 23時) (レス) id: 01a98e675c (このIDを非表示/違反報告)
ぼかみ(プロフ) - 初コメ失礼します。最高でした...！特に窓の外のkoちゃんのお話が大好きで何度も読み返しています！お体に気をつけて、更新をお待ちしております。 (2022年2月8日 23時) (レス) @page4 id: 66b1b1bb81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みそ | 作成日時：2021年10月24日 0時
