【歌い手】ぬこの恩返し【そらまふ】 (ページ5)

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『…へ？』

は、はいぃぃぃい？！？！

『えっ、ちょ、離して！誰か…！け、警察…っ、！』

「おい。こら、暴れんなって、」

「わっ、落ち着いてっ！」

『はぁ？！落ち着いてられるかっての！ていうか誰よ？！不法侵入？！』

「だから、落ち着けって！違うから、俺らは」

いくら抵抗しても女の力じゃ
男の人に太刀打ちできるわけもなく。

腕の力がなくなってだんだん痺れてきた

『もう、何なのよ…っ』

頭の中ぐちゃぐちゃだけど
できる限りの思考を働かせる

少なくとも、知り合いにこんなイケメンはいないし
ましてや学生時代の友達とは疎遠になってるし…

ていうかさ、その前にさ、
君たちさ、そんなに整ったお顔してるんだからさ、
よりによって私なんかじゃなくてさ、

『…もっと可愛い子が、他にいっぱいいるじゃん、』

「「…！！」」

自分の置かれてる状況が情けなく思えてきて、
思わず弱気なことを口走ったとき。

ぎゅーっ…

「やだっ！！僕はAちゃんがいいの！！Aちゃんじゃなきゃやなの！！」

『ちょ、ちょっと…！』

「昨日はいっぱいなでなでしてくれたし、あんなに遊んでくれたのにっ、今日はしてくれないの…？」

『、え？』

なでなで？遊ぶ？
確かに、昨日はまふまふといっぱい遊んで、いっぱい頭撫でてあげたけど…

『だって、あれはまふまふが甘えてきたからで…』

…ん？
そういえば、昨日タオルの上に寝かせたはずの
2匹の猫の姿が見えないし鳴き声もしない。

その代わりに、目の前には2人の男の人。
1人は私を抱きしめてるふわふわの金髪。
もう1人はなんだか眠そうな癖っ毛の黒髪。

よく見たら、
拾った猫たちにどことなく雰囲気が似てるような。

っておいおい…まさかね？

「A」

「Aちゃん」

だけど、私を見つめるまっすぐな視線は
2匹を拾ったときと同じもので。

『そらるとまふまふなの…？』