【歌い手】ぬこの恩返し【そらまふ】 (ページ2)

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『どうしたの？捨てられちゃったのかな…』

「にゃ、にゃあ、にゃあー！！」

「………に、にゃ」

仕事から帰る途中、雨宿りのために立ち寄ったコンビニ。
その前に置かれていた1つのダンボールの中には
小さな猫2匹が身を寄せ合って震えていた

『もう、こんなに濡れて…可哀想に。よし、うちにおいで』

2匹が弱々しくて放って置けなかった私は
傘を差したまま、ゆっくりとダンボールを持ち上げた

そのときにちらっと見えたネームタグには
2つの単語が並べて書いてあった

『そらる、と、まふまふ…か。名前かな？』

元は飼い猫だったのかなとか、
うちに連れて行っても大丈夫かなとか、
そういうことは今はどうでもよくて

ダンボールの隙間から静かにじーっと
こちらを見つめる2匹に向かって微笑んだ

『大丈夫だよ』

もう、こんな悲しい思いなんかさせないから