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愛する人。 ページ11

ピピピ…ガチャン、

ドアのロックを解除する音が聞こえた。
ソファから立ち上がり玄関に向かうと
もう部屋の入口まで来ていて、口元が緩んだのが見えた。

EH『お出迎えなんて珍し〜』

いつもの悪戯な口調だけど
やっぱりどこかいつもと違う。

『何飲む?』

ソファに座った彼に問いかける。

EH『お茶で良いよ』

『ん』

グラスにお茶を注いで
テーブルに置くと
私も隣に腰掛けた。

『すぐ行かなきゃでしょ?』

EH『あー、うん
ヒョンたち待たせてるし』

『だよね、時間ないのに、ありがと』

EH『あのねぇ…』

『?』

EH『Aに会いに来ないって
選択肢はまったくないから』

『ははっ、よかった』

EH『そんなんでどうすんの』

『あ、ねぇ』

EH『んー?』

『そろそろそれ、取れば?』

それ、と指したのは
さっきからずっと被りっぱなしの
大きなパーカーのフード。

EH『えー…いやぁ…』

『見せずに行く気?
最初に見るのが写真なんて嫌なんだけど』

EH『ん…そうだよな』

しぶしぶ…といった感じに
スルリとフードを外した。

『・・・』

金、白、赤にピンク、青、紫…

いつもいつも突然変わってて
私を驚かせていた彼の髪色…

そんな痛めつけて
ツルッツルになっても知らないよ、
なんてからかったっけ。

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作者名:miffy | 作成日時:2015年9月5日 2時

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