ストロベリーシンドローム

ドライブ ページ17

自宅まで送ってもらった日から、、、何度か閉店後に車で送ってもらうことがあった。


 

 
最初はチョコちゃんがいたんだけど、二人での会話がスムーズになるようになってからはいないことがふえて……


 
 

 
後部座席のドアじゃなくて、助手席に案内されるようになって。
なんだかこそばゆい(汗)


 
 
ただのペットショップの店員が、特定のお客様と……しかも芸能人とこんなふうに親しくなるのもどうかと思ったけど、彼の隣は居心地がいい。


 
 
 
たくさん楽しい話をしてくれるし、時には涙が出るほど笑わせてくれる。


 
ウニョクとしての彼は知らないけど、ヒョクチェとしての彼は毎日どんどん私の心の中の割合を広げていってしまう。


 
 

 
釣り合うハズもないのに、徐々にドキドキがキュンと胸を締め付けるソレになるのに時間はかからなかった。


 
EH「今日ちょっと時間ある？」

「何で？」

EH「ドライブしよ」

「んー。ヒョクチェさんに任せます」

EH「じゃー、決まり！！」


 
 
楽しそうに鼻歌を歌う彼の横顔に、触れたくなってしまう衝動を必死で抑えた。


 
  

連れて来てくれたのは人も疎らな夜景スポット。


 
勘違いしたくないからやめて欲しい……

 
 

綺麗な景色に一言も触れずに、目についたドリンクホルダーにあったイチゴミルクを手に取る。


 
「いつもヒョクチェさんからする甘い匂いってコレ？」

EH「あ、そうかも。毎日飲んでる。さっきも飲んでた(笑)」

「空だね(笑)」

EH「飲みたかった？」

「もうないでしょ？」


  

 
ギシッと革張りのシートが軋む音がした。


 


不意に影が私を覆ったかと思ったら、至近距離に彼の顔。


 
直ぐに真っ赤になるはずの顔は真剣で…
ハンドルに置いた手はそのままに唇が重なった。


 
EH「…味した？」


 
ビックリして固まったままの私に味なんか分かるわけなくて、ふるふると首を振る。


 
EH「パーボ(笑)」

 
ふっと笑ったかと思うと、今度はしっかりとキスされた。


 
カチャリと外されたシートベルト。自由になった腕を彼の首にまわす。


 
 
夜景なんか見ることもなく、どんとん深くなるキスと吐き出された吐息に私は酔いしれていった。

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