不器用なその手は君を守る為に 2 (ページ9)

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ペンギン)あ………そっか。
リルちゃん、屋敷で生活してた時に………

シャチ)食事もまともに出してもらえてなかったんだっけ。

ロー)それのせいで、いきなり沢山は食べられないんだろうな。
今食わせても、どうせどこかで吐くぞ。

ペンギン)言い方！！
なんとかならないんですか！？

ロー)知らねぇ。

シャチ)まぁ、とにかく……少しずつじゃないと、食べられないってことだな。
それなら、あんまり重くないものの方が食べやすいよな………

ペンギン)ちゃんとした料理を食べられるようになるまで、軽いものにした方がいいかも。
一口で食べれるやつとか。

イッカク)スープとか、そういうのも良いかもしれないわ。
怪我も治ってないし、ちゃんとした食事が難しいなら……尚更。

ペンギン)それいいかも！
あとは、栄養バランス考えて………

リル)…………

自分の身体を気にしてくれるペンギンたちに、不思議そうな顔をするばかりのリル。
そういう扱いを受けたことがないのだろう。
申し訳なさそうな顔をしていた。

ロー)食事に関しては、そっちに任せる。
食い終わったなら、また診察するぞ。
怪我の治りを見ておかないとな。

リル)怪我の……治りを？

ロー)変態の言ったことが本当なら……お前の傷は、一緒に与えられていた猛毒のせいってことになる。
毒の治癒を優先してたもんだから、傷の治癒が疎かになってるんだ。
昨日は応急処置で薬も使ったし、しっかり手当てはしてやったが……怪我なんてそう簡単に治るもんじゃねぇ。
あんなに酷かったんだ、治癒にばかり期待してられねぇからな………
一応は、治るまで診なきゃならねぇんだ。

リル)………うん。

小さく頷いて、席を立つ。
ローと食堂を出ようとしたが、ふと思い出したかのようにペンギンたちに近づいて………

リル)あの………

ペンギン)ん？何？

リル)えっと……ごちそうさま、でした………
それと………あんまり食べられなくて、ごめんなさい………

ペンギン)………気にしなくていいよ。
事情が事情だし、仕方ないしね。
それよりも、リルちゃんが「美味しい」って言ってくれるように、色々考えるからさ！
気に入ったものとかあったら、遠慮なく言ってね。
参考にするから。

リル)……うん。

こくん、と頷く。
そのままローと一緒に出ていった。

ペンギン)…………今思ったんだけどさ。

シャチ)ん？

ペンギン)リルちゃんって………すごく怖がりな感じあるけど、礼儀作法とかしっかりしてるよな………