不器用なその手は君を守る為に 2 (ページ21)

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それも当然と言える。
彼女は今まで、家族以外と『対等に』話すことなど、できなかったのだ。
ローたちが、他の人間と違うのは……もう十分に分かっていた。

リル)食堂でも、私の身体のことを気にしてくれてたから……他の人たちと違うのも分かってた。
こんな扱い受けたの、初めて。

ロー)………そうか。

静かにそれだけ言って、その後は中に戻ることにした。
もっと話を聞きたかったが……ペンギンたちが待っている。
長時間、リルを独占するのも申し訳ない。

ロー(あいつらも、少しはリルと話したいだろうしな………)

リルを部屋に帰した後、そう考えながらペンギンたちを捜した。
倉庫にはおらず、食堂へ行ってみると……中で何やら話し合っているペンギンとシャチの姿が。
ああでもない、こうでもない……と言い合っているところを見るに、何かに対しての話し合いのように見えるが………

ロー)…………何の話をしてるんだ？

ペンギン)あ、キャプテン！
話、終わりました？

ロー)あぁ。
今、部屋に帰してきたとこだ。
それより、何かの話し合いをしてたのか？

ペンギン)あ、はい。
リルちゃんの食事について話してたんです。
さっき食べてくれてたの、パンだけでしたし。

ロー)…………

そういえば……と、隣で食べていた姿を思い返す。
確かに、リルはパンを数口食べただけだった。

ロー)あんなもんで栄養も何もないが……他のを食べてもらうにしても、殆ど食べれもしないからな………

ペンギン)だから、食べれるようにしてあげようと思って。

シャチ)固形じゃなくて、スープとかにしたら、食べやすくなりますよね！

ペンギン)あとは、一口サイズにした何か……とか。
おにぎりも食べてくれてたし、具材で入れても平気そうなやつにすれば、リルちゃんの身体も治せると思う。
毎日スープじゃ、飽きてくるだろうし。

ロー)……考えることが山積みだな、これは………

ペンギン)でも、仕方ないと思います。
あんな量しか食べないんですもん。

シャチ)あんなの、心配になるだけですよ！！

ロー)まぁ………そうだな。

ペンギン)とにかく、俺らで考えられることはしてあげようかと思って、こうして色々考えてるんですよ。
キャプテンも、協力してくださいね。

ロー)助言くらいしかできねぇぞ。

ペンギン)それでも助かりますよ。

そんな会話をして、ローは「部屋に戻る」と食堂から出ていった。
しばらく食堂でシャチと話し合った後、ペンギンはリルの使う部屋へ向かった。