不器用なその手は君を守る為に

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ロー)その、たかが海賊風情の野郎に……煽られてキレる変態も、どうかと思うがな。

パディック)へ………変態だと！？
ふざけるな！！
俺は変態じゃねぇ！！

ロー)どこがだ。
部屋の壁に、リルの苦痛な表情の写真を貼り付けてただろ。
あんなもん見て、普通だとは思わねぇよ。
あれはお前の趣味か？
気持ち悪い趣味を持ってんだな。

パディック)くぅ………！

否定しなかった。
悔しそうにしているところを見ると、どうやら本当にあれは趣味らしい。

シャチ)マジな趣味だったんだな、その写真貼るの。

ペンギン)風景とか、家族の写真ならまだ分かるけど……女の子の苦痛な表情を写真に撮るって、どうなの？

シャチ)悪趣味中の悪趣味だろ、普通に考えて。
そりゃ変態呼ばわりされるわけだよ。

ペンギン)というか………周りの海兵は止めなかったんだ、その趣味。

ロー)気持ち悪すぎて、近寄りたくなかったんだろ。
本人が好んでやってたことだ。
触れるのでさえ、したくなかっただろうな。

シャチ)うわぁ…………哀れ。

パディック)こんの………海賊どもがぁ！！！！
好き勝手言うんじゃねぇ！！！

ペンギンたちの会話を聞いて、激怒するパディック。
今にも手すりから落ちてこようとしているのを、必死で周りの海兵たちが止めていた。

ペンギン)あんなになるなら、やめればいいのに………

ロー)そう簡単にやめれる趣味でもないんだろ。
それよりも……もう十分だ。
さっさと離れるぞ。

シャチ)え、離れるって………
軍艦は！？

ロー)今から斬る。
ちょっと行ってくるから、お前ら待ってろ。

ペンギン)大丈夫なんすか？
一人で行くなんて………

ロー)全員で行く必要はない。
あいつに、刻みつけて帰ってくるだけだからな。
リルが受けた苦しみを、しっかりと味わってもらわねぇとな…………

「ククク………」と笑うローは、どう見ても悪人のようだった。
ペンギンですら怖いと思ったが、リルのされたことを考えれば、当然と言える。
ローは、自分の能力で軍艦へ瞬間移動すると、海兵たちがどよめいた。
いきなりローが軍艦に現れたのだ。
能力を知っていても、驚くものは驚く。
海兵たちが警戒する中、パディックだけは怒りで周りが見えてないらしく、甲板へやって来たローを見つけるとまた騒ぎ立てた。

パディック)さっさと俺の白狼ちゃんを返せ！！
お前みたいな海賊なんかに、この人数は倒せねぇだろ！！

ロー)…………バカでも、俺のことは知ってそうなもんだが？

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