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女将)あぁ、待ってるよ。
にっこりと笑顔を向けてくれた女将。
女将のくれたバケットを手に、ミキは川に向かおうとした。
が、足元を見たのだろう。
「ちょっと待ちな！」と、突然呼び止められた。
女将)あんた、靴も履いてないじゃないか！
そんなんじゃ足を怪我するよ！
ほら、これ履いて行きな！
慌てて女将が、奥からブーツを出してくれた。
世話焼きな人なのだろう。
汚れた足も拭いてくれた。
ミキ)あ、ありがとうございます………
女将)まったく……旅人でもないし、服もボロボロだし………
あんた、何者だい？
ミキ)えっと……気付いたら、森の中だったんです………
それまでの記憶もないし、これからどうしようかと………
女将)うーん……行き場がないんだね。
なら、泉から帰ってきたら、うちで面倒見るよ。
丁度、人手がほしいと思ってたんだ。
ミキ)え……いいんですか……？
女将)いいさ。
この宿、あたし一人でやっててね。
旦那は病気で死んじまった。
毒の水を飲んじまったせいで、ね………
女将は、その時の話をしてくれた。
旦那と二人でやっていた、宿と食堂。
しかし、突然旦那が倒れてしまったのだという。
女将)一人娘が居たんだけど、娘も早くに死んじまってね。
まだ幼かったんだ……
原因は明白、森にある泉からの毒さ。
ミキ)泉の毒って……
女将)……あんたが行こうとしてる、泉さ。
あの泉は、昔っから神聖な場所だって言われ続けた場所でね。
森と、この村を守ってくれていると言われてたんだ。
けど……ある時から、泉は穢れ始めた。
今では人を死にやる毒の泉さ。
調べに行った村人も死んだ。
水に触れただけで…簡単にね。
ミキ)……………
女将)悪いことは言わない、行かない方があんたのためだよ。
ミキ)……でも………村の人が、困ってるのを……見て見ぬふりは出来ません。
何かできないか、調べる価値はあると思います。
女将)あんた……見ず知らずの人間を助けようってのかい？
何の得にもならないよ、そんなことしても。
ミキ)自分の得にはならなくても……村は助かりますよね？
その一言を聞き、女将は驚いたあと……笑った。
女将)なんて子だい………
知らない人間助けようって奴、今まで見たことないよ。
ミキ)だって、放って置けないですもん。
「困ってます」、「はいそうですか」で終わりにして、自分が後悔したくないんです。
『あの時助けてあげれば、あの人は助かったのに』って。
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レスタ(プロフ) - コメントありがとうございます。そう言ってもらえてよかったです！皆さん、読んでくれるのはすごくありがたいのですが、やっぱり一言もらえると助かります。本当にありがとうございます。 (2020年1月29日 18時) (
レス) id: 3cd98c2f43 (このIDを非表示/違反報告)
シャル♪黒猫愛しすぎてヤバイ(プロフ) - 小説拝見させていただきました。転生ものあまり読んだことはなかったのですが、とても面白かったです！主人公ちゃんがいても全然違和感無かったし、なにより文章の書き方が上手い！！ (2020年1月29日 18時) (レス) id: 6e2bf13c08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レスタ | 作成日時：2019年6月17日 3時
