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ミキ)……ここかな？
ぎぃ……と、音をたてて扉が開く。
女将)いらっしゃい。
おや……見ない顔だね。
旅の人かい？
ミキ)えっと……そんなところ、です……
女将)……？
旅人には見えないけど…まぁ、詮索はしないさ。
体格のいい女性が、宿屋の女将らしい。
女将)ここは食堂も兼ねてるんだ。
けど、最近は旅人もすっかり減ってねぇ……
この村に来る奴なんていなくなっちまったのさ。
ミキ)どうして…ですか？
女将)化け物だよ、化け物。
白い丸みたいな身体で、銃口がいくつもついてる化け物が、夜な夜な人を襲ってるのさ。
この辺りを縄張りにしてるんだか知らないけど、おかげで人も来なくなっちまったのさ。
「はぁ……」と、ため息をついた。
ミキ(……ねぇ、くー。
それって………)
くー(はい、おそらくアクマのことです。)
ミキ(なんとか出来ないかな？)
くー(うーん……主さまには、まだ戦える力がないですから…遭遇しても倒せません………)
ミキ(そっか………)
女将を助けてやりたいが、アクマに遭遇しても倒せなければ意味がない。
小声で会話していたことに気付かず、女将は話を続けた。
女将)この間も、川の上にある泉に行こうとした村人が殺られたんだ。
あそこは、『異世界の入り口』なんて伝説もある泉でね。
あの世とこの世を繋いでるって、伝説があるのさ。
ミキ)異世界の……入り口？
女将)まぁ、所詮は伝説。
嘘なんだろうけど…信じる奴も少なくないからね。
ミキ)あの……その泉、川に沿って行けば着きますか……！？
女将)ん？
あぁ……行けるけど……あんな伝説、信じるのかい？
ミキ)え、えっと……そ、そういう伝説とか、好きで………
何もなくても、行ってみたいと言うか………
女将)物好きな子だねぇ……
でも、止めはしないよ。
ミキ)ありがとうございます……！
女将)そうだ、泉までは距離があるから……これ、持っていきな。
そう言って女将が出したのは、サンドウィッチのバケットだった。
サンドウィッチの他に、果物が少し入っている。
ミキ)い、いいんですか……！？
見ず知らずの人間に、こんな………
女将)いいって、気にしなくて。
あんた、見たところ旅人でもなさそうだし、泉までの道だって距離がある。
途中で休まないと、倒れちまうよ。
ミキ)あ、ありがとうございます……
あ、でも……私、お金も何もなくて………
女将)そんなこと気にしないさ。
ミキ)……じゃあ、また戻ってきます。
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レスタ(プロフ) - コメントありがとうございます。そう言ってもらえてよかったです！皆さん、読んでくれるのはすごくありがたいのですが、やっぱり一言もらえると助かります。本当にありがとうございます。 (2020年1月29日 18時) (
レス) id: 3cd98c2f43 (このIDを非表示/違反報告)
シャル♪黒猫愛しすぎてヤバイ(プロフ) - 小説拝見させていただきました。転生ものあまり読んだことはなかったのですが、とても面白かったです！主人公ちゃんがいても全然違和感無かったし、なにより文章の書き方が上手い！！ (2020年1月29日 18時) (レス) id: 6e2bf13c08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レスタ | 作成日時：2019年6月17日 3時
