3 ページ17
そう言いながら、泉で拾った水晶を見せた。
くー)わぁ……！
綺麗ですね……！
ミキ)ね………
くー)きっと、泉をいつも綺麗にしてくれている、主さまへのお返しですよ！
主さまは、何に対してもお優しいですから！
ミキ)そんなことないってば………
今日はもう休めって言われたから、また泉へ行ってみようと思うんだけど……くーも行こう？
くー)こんな時間に、ですか？
ミキ)うん。
夜の泉も、見てみたいから。
くー)じゃあ、行くです！
一緒に来てくれるくーを抱き上げ、部屋を出た。
夕食の時間帯には珍しく、お客のいない食堂。
そこには数人、白い服の男性たちがいるだけだった。
女将)おや、出掛けるのかい？
ミキ)はい。
また、泉へ。
女将)こんな時間に？
ミキ)夜の泉も、見てみたくって。
女将)そうかい、気をつけな。
暗いから、これ、持っておいき。
女将からランタンを借りて、宿屋をあとにする。
こんな時間に泉へ向かうのは初めてだ。
薄暗くて一人では心細い道も、くーが一緒に居てくれるから怖くはなかった。
泉へ辿り着いた頃には……すでに夜になっていた。
ミキ)暗いな………
ちょっと怖いけど……もう泉には着いているし、少し眺めるだけなら………
と、呟いた瞬間だった。
ランタンの火が、消えた。
ミキ)えっ………！？
暗いっ………！
どうしよう…………！
慌てるミキは、真っ暗な森に怯えた。
ただでさえ暗い場所が嫌いなミキは、平常ではいられず、その場に座り込んでしまった。
くー)主さま……！
ミキ)ど、どうしよ…………
暗くて、怖いよ………
くー)大丈夫です、ボクが一緒です！
ミキ)くー………
今にも泣きそうになっていた、その時。
ぼんやりと青い光が浮かぶ。
ミキ)っ……！！
人魂を連想してしまった。
一気に怖くなったが……その光は数を増やし、辺りを照らしてくれた。
ミキ)……………
恐れたその光は、ミキの周りを照らし、美しい景色を見せてくれた。
ミキ)………綺麗……………
そう呟いたのと同時くらいに、やっとある場所も光っていることに気付いた。
それは、スカートのポケットに入れたままにしていた水晶だった。
取り出してみると、淡い水色の光を放っていた。
ミキ)光………？
くー)……？
二人で水晶を見つめていると…突然、水晶が輝き、目が開けられなくなる。
しばらくして光が弱くなっていくと……手にあったはずの水晶は消えていた。
しかし…………
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レスタ(プロフ) - コメントありがとうございます。そう言ってもらえてよかったです！皆さん、読んでくれるのはすごくありがたいのですが、やっぱり一言もらえると助かります。本当にありがとうございます。 (2020年1月29日 18時) (
レス) id: 3cd98c2f43 (このIDを非表示/違反報告)
シャル♪黒猫愛しすぎてヤバイ(プロフ) - 小説拝見させていただきました。転生ものあまり読んだことはなかったのですが、とても面白かったです！主人公ちゃんがいても全然違和感無かったし、なにより文章の書き方が上手い！！ (2020年1月29日 18時) (レス) id: 6e2bf13c08 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レスタ | 作成日時：2019年6月17日 3時
