お魚さんの家に落ちてきました。2【Fischer's】

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〜マサイside〜


「チクワー元気にしてたか？」


俺の愛犬のチワワ、チクワは俺を見るなり、走ってきて甘えてくる。


相変わらず元気だ。


走り回るそいつを見て、Aちゃんも動物好きそうだな、なんて考えてしまう。


実家に帰ってきても、どうやっても、Aちゃんのことが頭から離れなかった。


ワシャワシャとひとしきり撫でてやると、だんだんと落ち着いてくる。


いつもより落ち着くのが早いなと思っていたら、慰めるように俺の手の甲を舐め始めた。


「んー？どうしたー？」


チクワは俺を一度見て、また舐める。


…俺のこと、心配してくれてんのかな。


「ありがとな、俺は大丈夫だよ。」


そう言って俺はそいつの顔を撫でる。


ペットにまで心配されるとか…俺どんだけだよ。


床に座り込んだ俺は、チクワを目の高さまで持ち上げる。


「…好きだよ。」


「…返事、聞かせてほしい。」


そんな言葉は通じないので、チクワはよく分からないといった様子で俺を見る。


「言う相手が違う、って？」


俺の手から抜け出して、また甘えてきたそいつに、俺は「そうだよなー」と言いながら撫でる。


「…どしたらいいと思う？」


こんなことをペットに聞いている俺。そろそろヤバいんじゃないか？w


チクワはそんなことお構い無しに「遊ぼう！」と言っているようだった。


元気だな、本当。


いつも通りだ。


それを見ていたら、少し気が楽になった気がする。


「今度はその子も連れてくるからなー」


そんなことが未来にあるのかどうか分からないが、明るくそう言った。


俺はありがとうの意味も込めて、チクワが飽きるまで遊んでいた。

　

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