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『…A…?』


声の方に振り返ると、そこにはずっと会いたかった母の姿が。


「…お母さん…」


母は私だと分かると、優しく抱きしめてくれる。


母「A…」


懐かしい匂いと声に、胸が温かくなる。


母は何度も「ごめんね…」と繰り返し、私は反対に「ありがとう。」と繰り返していた。









 





 


 






話を聞くと、原因は分からないが、突然忘れてしまったんだという。


シルクさんからの電話の後、気になってアルバムなんかを全て見たんだそう。


始めは思い出せなかったが、日が経つにつれ、だんだんと思い出した…というわけらしい。


でも、思い出して、こうしてまた会えたことは、本当に嬉しい。


母「今までどうしていたの?」


まだ落ち着きを取り戻さない母は、心配そうに私を見つめて言う。


「えっと…助けてくれた人達がいて…」


ためらいながらもそう言うと、母は安心した表情になる。


母「そう…良かった……それじゃあ、その人達にお礼に行かないと。」


「え、」


母「当たり前じゃない、お世話になったんだもの。」


「…うん。」


母「明日、迎えに行くから、荷物まとめておいてね。」


嬉しいはずなのに、私は素直に笑うことができなかった。


「明日…うん、分かった。ありがとう。」


笑顔を作って見せると、母も優しく笑って帰っていった。


…分かっていた。分かっていたけど。


いつかはこの生活が終わるって。


会えなくなるわけではないけど、やっぱり寂しく感じてしまう。


…この気持ちに気付かなければ、もう少しましだったかもしれない。


いつの間にか、彼の存在が…もちろん彼らも。私の中でこんなにも大きくなってしまっていた。


複雑な気持ちを抱えながら、もうすぐ帰るとは言えなくなるその家へ帰った。

 

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マサイ愛 - とっても面白かったです! (2020年1月31日 15時) (レス) id: ab2e31f108 (このIDを非表示/違反報告)
もちきなこ - まりささん» ありがとうございます! (2018年10月24日 17時) (レス) id: 0ae4718a03 (このIDを非表示/違反報告)
まりさ - 完結おめでとうございます。面白かったです!続きも読ませていただきます。本当にお疲れ様でした! (2018年10月24日 7時) (レス) id: aed1f7157f (このIDを非表示/違反報告)
もちきなこ - 皆様ありがとうございます! (2018年10月21日 16時) (レス) id: 0ae4718a03 (このIDを非表示/違反報告)
みーちゃい(プロフ) - 書いてほしいです!このお話、rとても楽しく見させていただきました。続きがみたいです! (2018年10月21日 15時) (レス) id: db31bc5097 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちきなこ | 作成日時:2018年9月26日 18時

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