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「そういうの苦手…」


思わずそう口から溢してしまった。


小さな声だったのだが、隣に座っているマサイさんには、聞こえてしまったかもしれない。


でも、まあ…いいか。本心なのだから。


えっと……あ、そうだ、好きなタイプ…


「んー…」


…無理に演じる必要はないし、正直に言わせてもらおう。


「…分からないです。」


ンダホ「…え?」


シルク「分からない?」


私が頷くと、彼らはさらにハテナマークを頭に浮かべて、この表情。


「あの…まず、好きな人…いたことがないというか…」


詳しく言えば、“本気で”好きな人。


気になっていた人くらいはいたのだが、本気で想いを寄せた人はいない。


ンダホ「えぇ!?ほ、本当に!?」


シルク「え…?…さすがに付き合ったことは…」


「…ごめんなさい。ないです…」


何故か反射で謝った。


シルク「待って……え、マジで?」


「本当ですって…」


仕方ないじゃないか、事実なんだから。過去の事なんて変えようがない。


彼らは目を丸くして私を見る。


…そういえば、前の職場の友人にも、この話をした時に、こんな表情をしていた。


友人達の顔が、鮮明に頭の中で映し出され、思い出さないようにしていた記憶に、少し胸が苦しくなる。


ンダホ「え、何で何で?Aちゃん絶対モテるよね?」


こんなことにだって、ちゃんと理由がある。


「えっと…他にもっとやりたいこととかあって、いつもそれを優先してたので…」


シルク「へぇ〜、勉強とか?」


「そう…ですね……はい…」


曖昧な返事になってしまったが、大丈夫だろうか。


まあ、これも理由の1つなのだが、もう1つ理由があって。


別に、大したことではないんだ。決して。


ただ、学生の頃にあった、なんというか…ちょっとした、トラウマとも言えないような出来事がきっかけ。


思い出すと、他の余計なことまで思い出してしまいそうになるので、そこで考えるのは止めた。


ンダホ「なんか、もったいない気がするなぁ…」


そうは言っても、私だって人間だ。


全く恋をしないわけではない。…きっと。


そういうことを意識してしまう瞬間は何度だってある。


…ここに来てからも、もちろんあった。


むしろ、ここに来てからの方が、多かったかもしれない。


彼らを……いや、“彼”を、“1人の男性”として、意識してしまうことが。

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マサイ愛 - 更新頑張ってください!(*^▽^*) (2020年1月30日 20時) (レス) id: ab2e31f108 (このIDを非表示/違反報告)
とびじゃす#(プロフ) - もちきなこさん» すいません。更新ふぁいとです! (2018年9月27日 16時) (レス) id: 7955539d5f (このIDを非表示/違反報告)
もちきなこ - とびじゃす#さん» 大丈夫ですよ!いつもコメントありがとうございます!これからも読んでくださると嬉しいです! (2018年9月27日 16時) (レス) id: 0ae4718a03 (このIDを非表示/違反報告)
とびじゃす#(プロフ) - もちきなこさん» あ、すいません。もうしません。ほんまにすいません。 (2018年9月26日 23時) (レス) id: 7955539d5f (このIDを非表示/違反報告)
ここなっつ - もちきなこさん» はい!じゃあもう一度見返しときます!笑笑 (2018年9月26日 20時) (レス) id: df38677796 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちきなこ | 作成日時:2018年8月17日 12時

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