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31話 懐かしき影たち ページ34

異変を察知した学園長がやってくる

丁度寮長会議だったのだろうか、寮長も次々と現れた

そして皆Aを見て驚愕に目を見開く



それはそうだろう

彼等の知る彼女は明るく元気な傷付くことを知らないような少女だった


今此処に起きている双黒がいたのならそれは違うと叫んだことだろう

『ウチを傷付けるためだけにこの人達を使うなんて…』


本当の彼女は傷付きやすく、壊れやすい

繊細なのだ

この言葉を聞いて初めて彼等は双黒の存在に気が付いた


Aは2人を守るようにして立っていたのだ

それを見た彼等の心には嫉妬が渦巻いていた


しかし今はそれどころじゃないと切り替え、再び防御に徹する


『もう元に戻りたいっ!!』

心の絶叫だった


彼女の頰に涙が伝う

泣き叫ぶ彼女に釣られるようにして攻撃も激しさを増していた


彼女は異世界人であるためユニーク魔法が効かない
そして何より、大切な人

それゆえに彼等は苦戦していた



その時

気を失っていた双黒が、目を覚ました


上体を起こし、自分達を守るように立っている背中を見て驚いた顔をした

ふっと微笑むと立ち上がる


「私達のために怒ってくれてありがとう」

「もう休ンどけ」


この世界に来た時点で何より大切な声を聞いて、反射的に振り向こうとする

しかし太宰が目を塞ぐことで阻まれた


太宰が触れた所に光が溢れる

本人も気が付かない内に、感情を抑制するため異能が発動していたのだ


緊張の糸が切れたように身体の力が抜けた


倒れ込むAを中原が支える


「「おやすみ、良い夢を」」


最後に頭を撫でられた彼女の表情は穏やかだった


「ッとまァ…随分と派手に暴れたな」

「うふふ…それだけ私達のことを好いていたということだね、と言いたい所だけど」


彼等の方を向く

「随分とAを虐めてくれたようだねぇ、君達」


「コイツが裏でどれだけ傷付いてたか、手前ェらには判るか?」

かつて裏社会最強と呼ばれていた双黒が、目を細めて威圧する


それだけで普通の人は耐えられない

彼等は気を失い、その場に倒れた



2人はAを抱えて保健室に向かう



一方Aは真っ暗な空間にいた

『此処…何処?』


光が灯る

その中には太宰を除く探偵社の面々がいた


敦が此方を見て口を開く


犁女は1人じゃないんです。抱え込もうとしないでください

一粒、涙が溢れた


さらに別の光が現れる


中原を除くポートマフィアの面々がいた

森が言う


猜え込もうとする癖は昔から変わらないね


また一粒、涙が溢れた



皆、一様に微笑んでいた


(故郷の仲間)

32話 双つの黒と、1人の少女→←30話 オーバーブロット


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作者名:ピースサイン | 作成日時:2021年3月28日 23時

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