転生してからトリップしたら雑愛されてるんだが、双黒がセコム化していて怖い件【ツイステ】 (ページ25)

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２２話　蘇る前世ページ25

Aside

「こらA！起きなさい！学校遅刻するわよ！！」

意識がやっとはっきりしたとき、
ウチの目の前にいたのは４０代くらいの女性だった

何故ウチの名前を知っているのだろう

そう疑問に思っていると、口が勝手に動き始める

『…あと１日…』

「長過ぎるわッッッ！」

口から飛び出したのは、延長を求める言葉

女性が即座に突っ込む

そこで漸くウチは自分の置かれた状況を理解した

おそらくここは違う世界で、自分はこの子の身体から外を見ている状態なのだと

目の前にいる女性はこの子の親で学校に遅刻しそうだから起こしているのだろう

そんな事を考えているとまたもや口が動き出した

『まいまみぃ…推しに会いたい～～～！！！』

「煩い。だまらっしゃい」

あとはよ準備しなさい、そう言って女性は部屋を出て行く

推しって好きなキャラのことだよね

ウチも推し沢山いるし！というかこの子の部屋にあるキャラのグッズ、全部ウチの推しだ！

…ってなんで分かるんだ？ウチ

どんどん思考の沼にハマっていく

考えれば考えるほど難しい問題だった

『んぁ…顔洗お…』

身体が洗面所に向かう

まただ。また。何故ウチはここが、ものが、理解出来る？

何も知らない筈なのに
見たことがないもののはずなのに

何故、何故ウチはこれを〝懐かしい〟と思う？

鏡の前に立って、その顔を見たとき思わず驚きで身体が強張った(ような気分になった)

なぜなら鏡に映った顔は最近ウチが夢でよく見るその人そっくりだったから

頭の中に映像が次々と流れ込んでくる

頭が割れるように痛い

気を抜けば意識が飛んでしまいそうなくらい

必死に実体が無いながらも耐える

それでも膨大な情報の量には逆らえなかった

再び意識が沈む

〝これはウチの前世だ〟
それだけを、薄れゆく意識の中で強く認識した

………………………………………………………………………

目が覚めた

まだ頭が少し痛い

でもウチはそんなことよりも夢の真実に愕然としていた

〝前世〟

存在するだなんて信じていなかった

気を失う前に聞こえた声はきっとこのことについてだったのだろう

思い出してしまえば便利

忠告する声が聞こえたのはウチの身体が耐え切れないと感じたからだ

前世を少しずつでも思い出していたことで身体にかかる負担が増え、
ブロットが着実に蓄積されていた

１との魂に２つの記憶は入り切らないと判断したからこそだ

ほんっと有能だなこのマジカルペン

(知らないと思っていた人は、過去の自分)