Happy Birthday To You . 《12/02》 ページ10
今日は12月2日。つまり、アイツの誕生日だ。
「おはよう、光」
「っ、おっ、はよう……」
あれ?なんか違和感。本日の主役であるバースデーボーイはてっきりソワソワしてるかと思ってたら、なんだか元気がない。
「どうした?なんかあったか?」
「いや、あの……」
大きな瞳をキョロキョロと動かして適当な言い訳をしようとする光。しかし何も思い浮かばなかったらしく、笑うなよ?と釘を指してから話し始めた。
「実はさ、今日夢で薮と喧嘩したんだ。理由はわからないけどお互い大声で言い合いしてて、裕翔とかが止めに入ってくれてるんだけど、俺らはそれをガン無視してて。俺はそれが夢だって分かってたし、頭のどこかでは冷静だったんだけど、酷い言葉とか、そういうのを自分の意思とは関係なく薮にぶつけてるのが悲しくてさ」
俺、今日誕生日なのに……、としょんぼりする光が少々気の毒に思えて、気休め程度に肩を叩いてやる。
「あくまでそれは夢なんだからさ。第一、俺らもこの年で大喧嘩するほどガキじゃねぇし」
「そうだけどさぁ! 夢でもこんなの見たくなかったんだよ」
深い溜息が光の口から溢れる。それを見た俺の心がなんとなくざわつく。違う。今日のお前がするべき顔はそんなんじゃない。そんなんじゃ――
「……なにしてんの」
気がつけば、俺は光の手を取って俺の頬にあてていた。手のひらの温かさがじんわりと顔に広がる。
「俺、怒ってないだろ」
「? うん」
「むしろ、笑ってるだろ」
「そうだね」
「だから大丈夫。光が悲しがる必要は無いよ」
特別な日だから無意識に何かしらの不安が出てしまって、その結果、悪夢を見たのかもしれない。
仕方が無い。誕生日プレゼントとしてキミが笑顔になれる言葉をあげよう。
「誕生日おめでとう、光」
ハッとした顔でしばらく俺の顔を見つめた光は、直後ぱぁっと瞳を輝かせた。
「ありがと」
光がほんのりと頬を赤くして笑ってくれたので、俺も嬉しくなって笑い返す。
安心しろ。今日はお前にとって楽しい日になるよ。俺がそうしてやるから。
――――――――――――――――
八乙女光くんお誕生日おめでとう!!!
なにかお祝いできるお話を書こうと思ったら、こんなお話に……ナンジャコリャ。
ちなみに、ちぃちゃんの分も書きましたが、ここに上げることは出来ないので、今後何かの機会に出すことが出来たらいいな、と思っています。
……出せるかな?
以上、北斗千聖でした。
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作者名:北斗千聖-Hokuto Chise- | 作成日時:2017年11月28日 14時