Take picture. ページ4
ある日の楽屋でのこと。裕翔があまりにもテンションが高いので、どうしたの？と声をかけたところ、新しいカメラを買ったんだ！とカバンから少し大きめのカメラを取り出した。
「これ？ なんか古そうだね」
「そうなんだよ！ 実はこれ結構昔の型のカメラで、今じゃあんまり出回らないの。 でも最近になって復刻版として限定発売したんだ。 大変だったよー、発売一時間前からパソコンの前に張り付いて発売開始と同時にクリック戦争に勝つの」
「へぇ、凄いね」
カメラのことになるとやたら饒舌になる裕翔に少し狼狽える。いや、いつもの事だけど。
「あ、そうだ、これね珍しい機能があるんだ！」
「なになに？」
「付属のスイッチがついてて、遠くにいてもシャッターが切れるの！ 今でこそそれが普通だけど、この型でそれができるのってほんとに凄いんだ。 今ちょうど持ってるし、一緒に撮ってみない？」
「面白そう。 やってみたいな」
「さすが圭人！ ちょっと待ってて！」
裕翔は嬉々としてカバンからスイッチを取り出した。多分、これがやりたくて現場に持ってきたんだな。かわいい。
「準備できたよ！」
長い紐に繋がれたスイッチを手にしてちょいちょいと俺を呼ぶ裕翔の横に並ぶ。この様子はまるで雑誌で使う写真を撮る時みたいで、自然とモードが切り替わった。
「あ、せっかくだし、お互いが思うかっこいいポーズでもしてみる？」
「いいねそれ！ ついでに、メンバーにどっちがカッコイイか判定してもらおうよ！！」
俺の提案を受け入れてくれた裕翔は、じゃあ撮るよー！とスイッチを握った。
「はい、チーズ！」
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作者名：北斗千聖-Hokuto Chise- | 作成日時：2017年11月28日 14時
