V.I.P.

Episode9 ページ9

北人の部屋を出て広間に戻ろうかとも思ったけど

なんとなく他の部屋が気になって適当に散策することにした

部屋を出てすぐに目に入ったのは真っ黒の扉で


プレートには金色の文字で " MAKOTO " という文字が刻まれている . 迷うことなく引き込まれるように扉を開けた



と同時に目に飛び込んで来たのは上半身に何も纏わない男性の背中





『 え 、あ 、すみません .. 』




「 ん ？ あぁ 、こちらこそ 」




少しも動揺を見せずに言うと手にしていた白いシャツをソファに置き私の目の前に手を差し出す




「 どうぞ入って下さい 」




『 .. いいんですか ？ 』




「 全然いいですよ 」


「 僕の部屋が気になったんですよね ？ 」



顔を覗き込まれる様な仕草に思わず目を逸らす




「 見ない顔ですね . 初めましてですか ？ 」



『 このクラブに来たのも初めてです 』



「 そうなんですか 」



のんびりとした様子で話す慎 ？さん だけど何故か一向に置かれたシャツを着ようとしない




『 あの 、せめて何か着てもらえませんか 、』





「 後でまた脱ぐと思いますよ 」



意味深なことを口にするとそのまま私の腕を掴み部屋へ入ると扉を閉められた


目にかかる少し濡れた前髪から覗く瞳に吸い込まれるように目を合わせると彼のペースに巻き込まれたまま私の身体はベッドへと沈められた

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