V.I.P.

Episode6 ページ6

「 俺さ 、こ「 なぁ . 探したで 」




海青の言葉を遮ったのは私をここへ連れてきた張本人で




「 お酒の意味 教えたるって言うたのに 」



「この仔 壱馬さんが連れてきたんですか 」



「 そうや ．海青も気に入ったやろ ？ 」



まだ酔いの回っている頭で私を置いて進められる会話をぼーっと聞いていた . 内容は殆ど分からないけど

ただ一つ分かったのは私をここへ連れて来たのは壱馬という人だ ってことだけ .









.









「 シェリー酒の酒言葉は " あなたに全てを捧げます " だよ 」




突然 上から聞こえた声に顔を上げると見たことのない顔が覗いていて




「 なんで言うねん 、阿保 」




「 吉野北人 . よろしくね 」




壱馬さんのことを気に留めず私に手を差し出した吉野 、さん



面白くなさそうな顔をしてる壱馬さんに楽しそうな笑みを浮かべている海青 ．

そして落ち着いているけど何処か悪戯気な表情を滲ませている吉野さん


「 ここじゃ危ないから安全なところ行こ . ほら壱馬たちも忙しいみたいだし 」


吉野さんの言葉に壱馬さんや海青に目を向けるとまた美人さんたちに捕まっている ．




仕方なく吉野さんへ着いて行くとソファを無視してV.I.P. room の奥に進んでいく





『 あの .. 吉野さん 』




「 北人 ね 」




『 北人さん 、 』




「 北人 だって 」




『 .. 北人 』




少し拗ねたような顔で言う北人が可愛くて思わず笑顔になる




「 なに ？ 」




『 どこに行くんですか ？ 』

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