#121 抵抗の末行き着いたのは ページ21
セブルスには死喰い人の刺青があるし、元来彼は貞操観念が強く人前で脱ぐことに抵抗感を示す。きっと彼らの前で刺青を彫るのは嫌がるだろうと、私は彼を後に回した。
「さて…親を説得する覚悟が出来た奴から彫られに来い！」
「「イエー！！」」
「お前らホント怯まないなあ」
意気揚々と近寄ってきた彼らについ笑う。お前らのそういうとこ、結構評価するわ。慎重さには欠けるが度胸があって大胆だ、そういう側面が必要になることもあるのは事実。
……でも、大丈夫かなあ。こいつら、案外弱いところあるから。
「いﾞっ、あ、待って師匠痛い、」
「そりゃあアルバスでも痛いって言ってたんだからお前らじゃ尚更だろうなあ。」
やっぱりか、とちょっと予想していた展開に苦笑した。
威勢は良いけど彼らは案外打たれ弱い。想定外のことというものが苦手で、そこで怯んでしまうのだ。私に怒られると思ってあの時に泣いたのもそういうこと。
「やめる？」
「やめない！」
「そんな意地になることないだろうに」
「俺は師匠の弟子だって印が欲しいの！」
「でも痛いんだろ？」
「うぐ、……ううﾞう！」
「唸らんでくれよ」
さて、一体どうするんだか。
痛いのはやだけど刺青は彫りたい、と彼はぐるぐると葛藤する。フレッドの様子にジョージはどこか心配げで、私はついジョージの頭を撫でた。
「……師匠。大人の姿になって」
「あ？なんで」
「いいから！」
なんなの、と思いながらフレッドが言うまま普段の三十路の姿に変身する。二十でも四十でも良いんだけど何故か三十路がしっくりくるんだよね。
爺みたいな発言してもあんまり違和感ないけど体力的にもまだ衰えてない頃合？みたいな。私にとって都合が良い年齢なんだろうか。
何がしたいのだろうかとフレッドの様子を窺っていると、私に向き直ったフレッドは私の背中に腕を回してしがみついてきた。
「ん。いいよ！」
「…私にこれで刺青を彫れと」
「……だめ？」
「…はー。しょうがねえなあ、いいよぉ」
私が駄目だって言わないって分かっててやってるんじゃないかと思うわ時々…。
しがみついてくるフレッドをひょいと抱き上げ、膝の上を跨がらせてやって腰を抱き寄せる。
「ひぇ、ししょ、」
「刺青を彫るのは腰なんだから、向かい合って彫るんじゃこの方が彫りやすいの。我慢しろ」
「……ひゃぃ…」
「腕は背中より首に回してくれた方が………どうしたお前、顔の赤さが半端ないぞ」
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葵 - とっても面白いです！更新される日を待ってます！ (2023年5月5日 22時) (
レス) @page35 id: 1e793d26dd (このIDを非表示/違反報告)
レイ - めちゃくちゃ好きです！応援しています！ (2023年4月19日 15時) (レス) @page35 id: 58fc769308 (このIDを非表示/違反報告)
天鬼雷壊(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです。プライベートのことなどでお忙しいとも思いますが、更新するのを楽しみに待っています！ (2023年4月6日 18時) (レス) @page35 id: e391e268f1 (このIDを非表示/違反報告)
Aoiro - 失礼します！とても面白く読ませていただきました。続きが気になります。更新してくださる事を心より楽しみにしています！ (2022年9月20日 23時) (レス) @page35 id: 5f332b141b (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 失礼します、コメントのいる方が仰っているようにとっても面白い作品で魅力されました。これは一読者としての意見と我儘ですが、更新してくださる日が来る事を心の底から楽しにみ待っています！ (2021年12月29日 3時) (レス) @page35 id: 2224f94912 (このIDを非表示/違反報告)
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