#113 強い。故に脆い ページ13
子供達が私の許に駆け寄ってきて、抱き付いてしがみついてくる。みんな、みんな泣いていた。
「僕達が君に言わされてたなんて、馬鹿なこと言うなよ！」
「ちゃんとっ、ちゃんと兄さんのこと大好きだもん、ばかあ！」
「俺がした発言が全部信用されてなかったなんて、そんなのってないよ！」
「あんなに甘やかされて優しくされて、そんなの好きにならない方がおかしいだろ！」
私の無意識は、関係が無かったのか？でも、だって、それならどうしてこんな早く。
彼らに泣きつかれながら混乱する私に、アルバスが答える。
「確かに、最初の内…彼らが関わりを持ち始めていた最初の頃は、彼らは貴方の無意識の影響を受けていたのかもしれん。だが、貴方との稽古を経て…彼らも影響を受けない存在へと成長した。」
「…じゃあ、」
「きっかけは確かに貴方だろう。だが、今となっては貴方の許を離れるか否かの選択肢は、彼らに委ねられている。」
きっかけとしては、確かにそれは強力ではあった。だが、今ここにいる彼らが、自分の意思でここにいること。それが、全てなのではないかな。
アルバスが私に手を伸ばし、私の頭をそっと撫でる。
「……有り体に言うのであれば。彼らは貴方に、一目惚れしたんだろう」
「……一目、惚れ。」
「貴方はな、我々を信用していないと言うより、ご自身を信用していない。どこまでもご自身を悪者であると思い込み、だからこうあってしまったのだと極論付けている」
アルバスの手が私の頬を撫でる。昔のアルバスの大きな手。そこから魔力を送り込まれて、痛む頬が少しずつ癒やされていく。
「……貴方のその影響力を、どうか悪いものだとは思わないでほしい。貴方のおかげで、このホグワーツに強く根付いている寮の隔たりが、少しずつでも薄くなりつつある。貴方のおかげで、生徒達が健やかな成長を遂げようとしている。貴方が貴方である内は…それは決して、悪影響になどならない。」
最古の魔法使いの最初の愛弟子が、それを保証しよう。
彼のその言葉を飲み込むのに、酷く時間が掛かった。ぱくぱくと口を開閉させる様は、きっと金魚のようだったに違いない。それでも彼らは、私と一緒にいてくれた。
「………私、は、…私を、…私の、能力の有り様を、…許しても、良いんだろうか…？」
この度が過ぎた能力が、私自身が解放されることを躊躇わせる。
数多の人間の努力を無に帰すような、この力が。
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葵 - とっても面白いです！更新される日を待ってます！ (2023年5月5日 22時) (
レス) @page35 id: 1e793d26dd (このIDを非表示/違反報告)
レイ - めちゃくちゃ好きです！応援しています！ (2023年4月19日 15時) (レス) @page35 id: 58fc769308 (このIDを非表示/違反報告)
天鬼雷壊(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです。プライベートのことなどでお忙しいとも思いますが、更新するのを楽しみに待っています！ (2023年4月6日 18時) (レス) @page35 id: e391e268f1 (このIDを非表示/違反報告)
Aoiro - 失礼します！とても面白く読ませていただきました。続きが気になります。更新してくださる事を心より楽しみにしています！ (2022年9月20日 23時) (レス) @page35 id: 5f332b141b (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 失礼します、コメントのいる方が仰っているようにとっても面白い作品で魅力されました。これは一読者としての意見と我儘ですが、更新してくださる日が来る事を心の底から楽しにみ待っています！ (2021年12月29日 3時) (レス) @page35 id: 2224f94912 (このIDを非表示/違反報告)
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