#64 私は心配されていた ページ14
「………ん、」
ふ、と目が覚めて、私は瞼を擦った。見覚えのない天井に、何があったんだったか、と寝起きのぼんやりとした頭で記憶を掘り起こす。
──ああ、そうか。色々、あったんだったか。
アルバスとセブルスに愚痴った後、私は眠気に負けて気を失った。ベッドが並ぶここは、おそらく医務室だろう。あー、あー。恥ずかしい。一度ならず二度までも醜態を晒した。しかも謎の月一ペース。この状態でいくと来月も何かあんの？やだなそれ。
「あー…ったまいってぇえ…」
……そういえば、やたらめったら魔力を放出させたような気がする。有り体に言えば貧血みたいなものか。魔力の足りない状態。事の発端で大絶叫して魔力ぶちかましたからなあ…連中には悪いことをした。軽い気持ちで行った悪戯が、まさかあんな大事になるなんて思っちゃいなかったろう。
もう何年前の話だと思ってるんだよ、まったく…いい加減、克服しなくては。いや、それなりに克服できているとは思ってたんだ。ただ、如何せん、彼らの服装と文言が、噛み合っていて。
言い訳だ。彼らを傷付けたことには変わりない。うっすらと残る記憶の中では、無関係だった生徒達をも巻き込んでいた。一度、彼らには謝罪して回らないと。…私の傍にはドラコもいた。彼は、大丈夫だったろうか。
「──兄さん！！！」
「ん、あ、ハリぃいっ？！」
どすっと飛びついてきたハリーに声がひっくり返り、起こしていた上体もまたベッドに倒れ込む。
び…びっくりした…何事かと思った…。
「…おい待てハリーお前なんで泣いてんだ」
「にいさ、にいさ、ん、うう、」
「おいってぇえ…何があったんだよお」
「三日間眠っていたんだ、君は。」
こつん、と足音が聞こえてハリーの頭を撫でてやりながら声の方を見れば、ドラコがこちらに歩いてきた。彼のその言葉に納得し、しがみついてくるハリーを抱き寄せてやる。
「…二人にも沢山迷惑を掛けた。ごめん」
「……はあ。君は自分が何かやらかすとすぐそれだな。僕達が今回の件をどう思ってるのか、どうせ予測を立てて決めつけてるんだろう」
「うぐ、」
「迷惑だなんて思っているなら、先生だ師匠だ兄さんだなどと慕うものか。疎んでいる人間相手に心配して泣きついたりだなんてするものかよ」
ぐうの音も出ない。最近ドラコに論破されること増えた。
彼は傍らに置かれていた椅子に腰掛ける。
「僕達は好きで君と一緒にいるんだ。卑屈になることが処世術だと思うな」
#65 演技やり過ぎ注意→←#63 貴方が思っているよりも Side.セブルス
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エトーカ(プロフ) - 白猫さん» コメントありがとうございます！親世代に関しては断片的なネタは一応考えているので、短編のような形で書いてみようと思います。メインがありますのですぐの更新はお約束できかねますが、少々お待ちいただければ幸いです。ありがとうございました！ (2018年4月12日 16時) (
レス) id: 63aaeb6f7a (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - 続編おめでとうございます!! できればで、いいのですが夢主の親世代の話も読んでみたいです! (2018年4月12日 15時) (レス) id: bad360ec79 (このIDを非表示/違反報告)
エトーカ(プロフ) - 殺覇さん» お待たせいたしました、ありがとうございます！コメントしていただけるのとても嬉しいです、頑張りますっ！ (2018年4月11日 17時) (レス) id: 63aaeb6f7a (このIDを非表示/違反報告)
殺覇(プロフ) - 待っていました！やっぱりとても面白いです！更新頑張ってください (2018年4月11日 17時) (レス) id: fdc91a3e02 (このIDを非表示/違反報告)
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