#50 ベッドの中で、想い、浸る。 ページ50
それにしてもセブルスは一年生に限らず他学年にもあの調子なんだなあ、としみじみ察した。率直に言って厳しい、甘さがない。
スリザリンを贔屓にしているという点では甘いと言えるかもしれないが、それは寮に点を入れるか入れないか、という一点に尽きる。やらせることはグリフィンドールもスリザリンも変わらない。
…で、その厳しさが自分の首をも絞めている。当人にその自覚があるかどうかはともかく、一人にそれなりの量の宿題を課せばその添削量は総合的に何倍にも膨れ上がる。
教師とはそういう仕事なんだと思っている辺り、こう…セブルスはストイックだよなあ。でも溜め込んだものを吐き出す場所がないから爆発するんだろ？馬鹿だよなあ。
あいつには自分を甘やかすという発想がない、と思いながら、私は添削を済ませた書類束を消した。まだ幾らか残っているけれど、後は明日の朝にでもやればいい。翌日に隈なんか作れば十中八九気付かれてちくちく言われるんだどうせ。
ふあ、と欠伸をひとつ、私はローブからパジャマに着替えてベッドに潜り込む。
ああ、でも。あいつが訓練を続けてくれてたなんて、嬉しかったなあ。それも、指針もなかったのに手探りでもあんなに上手くなって。初日の時点で事象干渉が出来るなんて思わなかった。
ドラコも、感覚がまだ掴めていないだけで飲み込みは良い。基礎訓練が上手く出来るようになれば、次のステップに進むのにそう時間は掛からない。
今日はドラコを甘やかしてしまったから、明日はハリー達の番かな。素直に謝罪の手紙は送り返したけれど、ハリーはともかくフレッドとジョージが納得したかどうか。ジョージはともかくフレッドは多分なんやかんや言うだろうなあ。
…弟子が居るというこの感覚は、随分と久しぶりだ。ここに入学するまでは、一人で日々を過ごしていた。それが楽しくなかったわけではないけど、如何せん限度もあるもので。
人と言葉を交わす。人と馬鹿話をする。人と笑う。人と喧嘩する。人を労う。人を慈しむ。それも、私が良いと、言ってくれた人間と。
嫌われると思っていたんだ。そうでなくても怖がられると、私はそう思っていた。私があんなふうに爆発して人ならざるものを見せれば、誰だってそうなるだろうって。
そうはならなかった。それでもいいって、それがいいって言ってくれる奴が居た。昔の弟子もまた私から学びたいと言ってくれた。
どうなることかと思ったんだ。でも、
「…ああ。幸せだ…。」
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エトーカ(プロフ) - uetoさん» 自分のことを“私”という男です。年長者の爺なので落ち着いた雰囲気を示してみました。 (2018年6月18日 20時) (
レス) id: 8fe5c80859 (このIDを非表示/違反報告)
ueto - 主人公の性別はどっちですか？男主と書いてあったけど自分のこと私と言ってますがどっちですか？ (2018年6月13日 21時) (レス) id: 20012f22cd (このIDを非表示/違反報告)
エトーカ(プロフ) - 殺覇さん» ありがとうございます！久しぶりに、というお言葉はとても恐れ多いですが、とても嬉しいです！恐縮ですが、もう少々お待ちいただければ幸いです。ありがとうございました！ (2018年4月8日 16時) (レス) id: 845d19f462 (このIDを非表示/違反報告)
殺覇(プロフ) - 一気に読みました。続きを早く読みたいと思わせてくれる作品でした！久しぶりにいい作品に出会えた気分です。続編楽しみにしています！ (2018年4月8日 15時) (レス) id: fdc91a3e02 (このIDを非表示/違反報告)
エトーカ(プロフ) - ヒロさん» ありがとうございます、コメントお待ちしておりました…！私も書いてて夢主のようなお兄ちゃんが欲しいですw公開はもう少々お待ちください、ありがとうございました！ (2018年4月8日 13時) (レス) id: 845d19f462 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エトーカ | 作成日時：2018年3月25日 19時
