#19 健やかな眠りを君に ページ19
さてスネイプ先生に早く寝ろって言われたから寝るかー、と挨拶を交わして明かりを消してベッドに潜り込んだ十分後。
「…寝付けない…。」
「お前どんだけお坊ちゃんなんだよ…。」
ドラコが寝付けなくて私に相談してきました。繊細か。
枕が変わると寝れないとかベッドが違うと寝付けないとかそういうタイプなのか、と恥ずかしそうにしているドラコをぼんやり眺める。
「……で？」
「うぐ、………ま、まじない、かけてくれ…」
「…まじない？」
「…僕が寝るとき、いつも、母上が額にキスしてくれるんだ」
「……お前…よくそれを同い年の同性に頼む気になれるよな…。」
「だ、だって…！こんなの君にしか頼めないじゃないか！」
「いや私なら頼めるって発想もよくわかんね…だー！分かったよ！やるから泣くなよ！」
「泣いてない！」
「半泣きになってんのが見えてんだよ！」
子供か！いや子供だけど！
…やっぱ甘やかされて育つとこういう子供になるんだろうな…。いや、まあ、いいんだけどさ。添い寝頼まれるより早く済みそうだし。二人部屋だからって良い様に甘えよってからに…。
「ほら、ベッドに横になれよ。そうしないと寝れるもんも寝れないだろ」
「……ん。」
ドラコはベッドに戻り、私は自分のベッドを降りて彼のベッドに腰掛ける。
「……ふ…。恥ずかしい奴」
「うるさい」
「恥ずかしくて、甘えん坊で、可愛い奴。」
「、う、ううぅうるさい…っ」
「ドモってんなよ、ばぁか。」
わしゃわしゃ、とドラコの頭を掻き混ぜ、身を屈めて彼の額に唇を落とす。
しょうがないから、彼が頼んできたようにまじなってやる。唇に、魔力を乗せて。
「おやすみ、ドラコ。良い夢を」
ふ、とドラコが目を細め、そのまま瞼を伏せる。緩やかな寝息が聞こえて、彼はあっという間に眠りについた。くつ、と小さく笑って、ドラコのベッドから立ち上がる。
「まったく、しょうがない奴。」
自分のベッドに戻った私は、再び潜り込んで息を吐き出す。
実に、目が回るような一日だった。ほとんどの原因はドラコだったけれど、まあそれを言うことはするまい。慌ただしかったし疲れたけど、楽しかった。
それから、大広間でのやらかしの反省。言うて次は気を付けようって思っても体が先に動くんだけれど。でも、冷静になる必要はある。相手に煽られて毎々ぶち切れていてはキリがない。
…まあ、私のあの切れ様を見て尚煽ってくる奴なんていないだろうけど。
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エトーカ(プロフ) - uetoさん» 自分のことを“私”という男です。年長者の爺なので落ち着いた雰囲気を示してみました。 (2018年6月18日 20時) (
レス) id: 8fe5c80859 (このIDを非表示/違反報告)
ueto - 主人公の性別はどっちですか？男主と書いてあったけど自分のこと私と言ってますがどっちですか？ (2018年6月13日 21時) (レス) id: 20012f22cd (このIDを非表示/違反報告)
エトーカ(プロフ) - 殺覇さん» ありがとうございます！久しぶりに、というお言葉はとても恐れ多いですが、とても嬉しいです！恐縮ですが、もう少々お待ちいただければ幸いです。ありがとうございました！ (2018年4月8日 16時) (レス) id: 845d19f462 (このIDを非表示/違反報告)
殺覇(プロフ) - 一気に読みました。続きを早く読みたいと思わせてくれる作品でした！久しぶりにいい作品に出会えた気分です。続編楽しみにしています！ (2018年4月8日 15時) (レス) id: fdc91a3e02 (このIDを非表示/違反報告)
エトーカ(プロフ) - ヒロさん» ありがとうございます、コメントお待ちしておりました…！私も書いてて夢主のようなお兄ちゃんが欲しいですw公開はもう少々お待ちください、ありがとうございました！ (2018年4月8日 13時) (レス) id: 845d19f462 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エトーカ | 作成日時：2018年3月25日 19時
