#12 笑い混じりの組み分け談話 ページ12
「落ち着いた？」
「…ん。」
「よし。すいません、マクゴナガル先生。お待たせしました」
「………」
「……先生？」
思案げな表情で私を見つめるミネルバに嫌な予感がして咄嗟に口を挟めば、彼女ははっと我に帰る。
あっぶねー、絶対今思い出そうとしてたわミネルバ…なまじ彼女察しが良いから侮れないんだよなあ。
「…皆さんをお待たせしています。急ぎましょう」
「はい。」
ドラコの手を引いて歩き出せば、彼も大人しくついてくる。レイブンクローとハッフルパフのテーブルの間を抜け、私達新入生は先生と生徒の間の拓けた空間に並んだ。
目の前にはひとつの椅子と、その上に組分け帽子。……奴にはバレるんだろうなあ、多分…。誤魔化せる気がしない。
「名前を呼ばれた者から前に来なさい。」
そうして、組み分けの儀は始まった。一人、また一人と壇上に上がっては寮のテーブルへと捌けていく。
そうして呼ばれたドラコに続き、私はミネルバに名を呼ばれた。ああー、せめて私が組み分けしている間はミネルバも離れていますように！
聞くつもりはないのかちょっと距離を取ってはいるけど、一度違和感を感じた私に対しても同じことをしてくれるとは限らない。
壇上に上がって椅子の上に着席。そうして組み分け帽子を被せられた瞬間、帽子はけらけらと笑いだした。
「そうか、そうか。お前さんがアルバスが言っていた子供だな？もちろん素晴らしい資質を持っているとも、ふふふ」
ダウトー！お前絶対私の中身知ってるだろ！アルバスから聞いてんだろ！誤魔化そうとしてくれてるのは分かるけど笑いながらだからくそ怪しいんだよ！
「冷静沈着で度胸がある、頭が良い。ちぃと性格の悪さが目につくが、どこの寮でも上手くやれるだろう」
「一言余計だ」
「ははは！では率直に問おう。君は、どの寮に入りたいかね？」
「考えるまでもない。ドラコと約束したんだ──スリザリンに入るってな。」
「よろしい。ではお前さんの寮は…スリザリン！！！」
柔軟に応じてくれて有難かったが笑いやがったお前はいつか絞る。分かってんだよサバ読みがえげつねえことになってんのくらい！
絶対絞るぎちぎちにしてやる、と壇上を降りながら決意を新たにし、スリザリンのテーブルに。ドラコの隣の空けられた空白に笑い、可笑しく思いながらその席に座った。
「いくら何でも私贔屓が過ぎるだろ。」
「うるさい。…友達の隣に座りたいと思ったっていいだろう、別に」
#13 歓迎会に悪戯は求めてない→←#11 そもそも喧嘩してないんだけども
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エトーカ(プロフ) - uetoさん» 自分のことを“私”という男です。年長者の爺なので落ち着いた雰囲気を示してみました。 (2018年6月18日 20時) (
レス) id: 8fe5c80859 (このIDを非表示/違反報告)
ueto - 主人公の性別はどっちですか？男主と書いてあったけど自分のこと私と言ってますがどっちですか？ (2018年6月13日 21時) (レス) id: 20012f22cd (このIDを非表示/違反報告)
エトーカ(プロフ) - 殺覇さん» ありがとうございます！久しぶりに、というお言葉はとても恐れ多いですが、とても嬉しいです！恐縮ですが、もう少々お待ちいただければ幸いです。ありがとうございました！ (2018年4月8日 16時) (レス) id: 845d19f462 (このIDを非表示/違反報告)
殺覇(プロフ) - 一気に読みました。続きを早く読みたいと思わせてくれる作品でした！久しぶりにいい作品に出会えた気分です。続編楽しみにしています！ (2018年4月8日 15時) (レス) id: fdc91a3e02 (このIDを非表示/違反報告)
エトーカ(プロフ) - ヒロさん» ありがとうございます、コメントお待ちしておりました…！私も書いてて夢主のようなお兄ちゃんが欲しいですw公開はもう少々お待ちください、ありがとうございました！ (2018年4月8日 13時) (レス) id: 845d19f462 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エトーカ | 作成日時：2018年3月25日 19時
