ep563 ページ7
貴side
貴「皆が知っているように僕には生まれつき瞬間移動なんて胡散臭い力があった。
それだけならまだフツーに生きていけたんだろう。
だけどまぁ、見ての通り限りなく黒に近いグレーの仕事を引き受けるこの家に生まれたのが運の尽き。
どう足掻いたってフツーになんかなれなかった。」
目の前のポトフにぷかぷか浮かぶ人参をツンツンといじりながら目を伏せた
貴「それに、僕はそういう家庭に生まれたと言う理由で赦されること以上のことをしてきた。
いつの間にか自分を苦しめていたどす黒い罪悪感も何もかも無くなった。
そんな時だったんだ。
切り捨てたはずの僕の全てを取り戻せと言う、そんな無茶苦茶な奴らに出会ったのは…」
ふと顔を上げると真剣な面持ちでいた彼らは僕に優しく微笑んだ
貴「結局、その流れに呑み込まれた僕は初めて近くに誰かを置いておきたいと思うようになったんだ。
サプライズとは言え、今回こんなことが起こって色々考えてたんだ。
このテレポートの力はあくまで遺伝性のもの。
僕の血統は意志に関わらず等しくこの力に縛られることになる。
自分の子供も、孫も…その先の先までずっと、僕と同じ道を歩ませて苦しませたくはなかった。
だから……
だったらここで終わらせて仕舞えばいいんじゃないかと…
そうすればもう誰も苦しまなくて済むんじゃないかと…そう思って……
正直、今もまだその方がいいnっむぐゴッ!?」
俯いた顔を上げた時にタイミングよく口の中に押し込まれたのはジャガイモのフリット
雪「……次、そんなこと言ったら許さないから。」
人の口の中にジャガイモ突っ込んどいてその張本人である千鶴は怒りの宿った瞳で僕を一瞥した
土「この世には俺らの知らねぇことが沢山ある。
オメェの事情だってそのひとつだろぉが…」
原「今までAが何をしてきたのかはあえて聞かねぇけど、自分の解答は出たんだろ。」
永「まだまだこれから幾らでも変えられんだからそう辛気臭くなるなって!」
笑顔で僕の貧弱な心を支えてくれるこの教師たちは本当に恩師と言うべきなんだろうな
そう思えば、少し涙腺が緩んで視界が滲み出した
原「A…泣いてんのか??(ニヤニヤ)」
貴「いや、さのっち達もたまには教師らしくいい事言うんだな…と思って感動しただけ。」←
3人「「おい!!!」」←
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麒麟 - 続編へのリンクがうまく出来てなかったようですみません!修正いたしましたのでどうぞご覧ください! (2017年6月8日 16時) (レス) id: 9b5bc497da (このIDを非表示/違反報告)
珠月悠羽@ゆゆとペア画中(プロフ) - 麒麟さん» それな\(^o^)/ヘイ!!← (2017年6月4日 22時) (レス) id: 9cd5d172ad (このIDを非表示/違反報告)
麒麟 - 珠月悠羽@アイコン変えましたさん» 悲しくなって来たぜ\(^o^)/ヘイ!! (2017年6月4日 12時) (レス) id: 856ee34068 (このIDを非表示/違反報告)
珠月悠羽@アイコン変えました(プロフ) - 麒麟さん» まあまずそんな相手がいないんだけどね((おい (2017年6月4日 8時) (レス) id: 9cd5d172ad (このIDを非表示/違反報告)
麒麟 - 珠月悠羽@アイコン変えましたさん» それいっちゃあかんやつ…( ˙-˙ )←あぁ、リアルで意識的に出せたら困らないのに… (2017年6月3日 18時) (レス) id: a8d3464674 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麒麟 | 作成日時:2017年4月4日 23時