ep592 ページ36
貴side
今日の教訓:キャラじゃないことはするもんじゃない
唇を噛み締めて顔を歪めながら一目散にヘリに走る
藤「…うわ、Aの顔ヤバ…」
原「般若か修羅か…って感じだなww」
斎「触らぬ神に祟りなしだ。」
おい、そこ!!聞こえてんぞ!!
雪「いいから、早く乗って。Aちゃん!」
いいから、と片付けられた僕のbroken heart…
切ないね←
僕が乗り込むと同時にブロロとまた一層けたたましく騒ぎ立てて離陸した
座席から窓の外をちらっと見遣った
すると
ちゃっかり起き上がった父さんの手が動く。
それは僕が小さい頃に教えてもらったハンドサイン
なんだったけ、とイマイチ思い出せない僕に同じサインを送り続ける父
【じ、ぶ、ん、を、し、ん、じ、て】
サインを送った後に柄にもなく父親らしく微笑んだ
貴「……ぅ、っひ……くっ……」
ほんと、キャラじゃないことするとろくなことがない。
貴「な、にそれ…っ、意味わかんないしっ…ぅ…」
自分の意志と関係なく溢れる涙を止める方法なんてわからない僕はただ俯いた。
そんな僕の頭に優しい大きな手が触れる。
顔を上げると柔らかい笑みを湛えた沖田先輩がいた
…やめてくれ、余計涙が止まんないじゃないか…
・
僕は涙で濡れた頰を拭うこともせず、窓の外の彼らに
貴「行ってきますッ!!!」
叫んだ。
聞こえないだろうけど、
叫んだ。
貴「行ってきます!!」
滲んだ視界の中で彼らが笑顔で手を振るのが見えた
ちゃんと…届いてる
口の動きだけで、表情だけでちゃんと伝わる…
そっか、忘れてた。家族ってそういうものだった。
本当に見えなくなるその瞬間まで、僕はずっと眼下の景色を見つめていた。
今度はもう、目を背けない。
ちゃんと受け止めて、自分に刻み込んで持っていく
・
まだまだ止まらない涙はそのまま流しっぱなし
後頭部に回った沖田先輩の手が僕を自分の胸板に引き寄せた
貴「…っ、ひっ………ぅ……」
温かい体温と鼓動と先輩の香りに顔をうずめる
僕の肩をぽんぽんと規則正しく叩く手はただただ優しかった
・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
沖「…落ち着いた?」
貴「先輩、45秒間隔でそれ聞くのやめて下さい」←
涙をペッと払って僕は笑った
・
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麒麟 - 続編へのリンクがうまく出来てなかったようですみません!修正いたしましたのでどうぞご覧ください! (2017年6月8日 16時) (レス) id: 9b5bc497da (このIDを非表示/違反報告)
珠月悠羽@ゆゆとペア画中(プロフ) - 麒麟さん» それな\(^o^)/ヘイ!!← (2017年6月4日 22時) (レス) id: 9cd5d172ad (このIDを非表示/違反報告)
麒麟 - 珠月悠羽@アイコン変えましたさん» 悲しくなって来たぜ\(^o^)/ヘイ!! (2017年6月4日 12時) (レス) id: 856ee34068 (このIDを非表示/違反報告)
珠月悠羽@アイコン変えました(プロフ) - 麒麟さん» まあまずそんな相手がいないんだけどね((おい (2017年6月4日 8時) (レス) id: 9cd5d172ad (このIDを非表示/違反報告)
麒麟 - 珠月悠羽@アイコン変えましたさん» それいっちゃあかんやつ…( ˙-˙ )←あぁ、リアルで意識的に出せたら困らないのに… (2017年6月3日 18時) (レス) id: a8d3464674 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麒麟 | 作成日時:2017年4月4日 23時