代闘士の非日常その2 (ページ2)

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本拠地へページ2

A side

車がガタガタと揺れる
あの会議から10日後、しっかりと準備を進めてK国へ向かっている

オスマンは表向きでの領地の調査
ゾムは裏で兄さんの安否確認と情報収集
そして僕はひとらんの代役としてオスマンの護衛、という名目で調査に参加する事となった

事件が起こった場所とは違う経路で車を走らせているらしく、着く時間がかかるらしい

…………そして。
ひとらんと鬱せんせは、未だに目を覚ましていない。

……もし、あの時嫌な予感を伝えていれば。
……もし、僕が代わりに行っていれば。

もし、が頭の中でぐるぐると回って、思わずため息をつく

するとゾムが僕の顔を覗き込んできた

zm「どしたん？緊張しとるんか？」

『うーん……いや……もう過ぎたことを考えてるだけ』

zm「…………ほーん、そうか。ま、あんま考えすぎん事やな、好きなもんでも思い浮かべとけ」

os「……そろそろ着くみたいやで、K国」

zm「OKだぜ！じゃあ俺は裏行動やから、そろそろ出るわ！」

そう言ってゾムは車の窓から飛び出して行った

os「気ぃつけてな～」

オスマンはフリフリと手を振った後、僕に向き直る

os「A、俺の見立てやけど、恐らく大臣は何者かに操られとるか、殺されとるか……とりあえず何かしらの被害を受けとるはずや。
俺が基本的に話を通すから、Aは何も喋らず、無表情でおってくれ。なんか違和感があったり、危険を感じたら靴を鳴らして合図して欲しい、ええな？」

『分かった』

話が終わったと同時に、車が停止する。
K国の城に入ると、使用人が出てきて応接間に案内された

オスマンはソファに座り、僕はオスマンの後ろで手を後ろに組んで立った

使用人「しばらくこちらでお待ちください。ただいま大臣を呼んでまいります」

扉が閉まって直ぐに、辺りをちらりと確認し気配を探る

今の所、部屋の中に盗聴器や隠しカメラがいくつか仕掛けられているだけで、ダクトや部屋の外には気配を感じられない。

盗聴器がある事はオスマンも分かっているようで、周りに気をつけながら普段通りに振舞っているようだった

およそ15分後、やや小太りの男性がノックをして部屋の中に入ってくる。……どうやら大臣のようだ

オスマンは直ぐ立ち上がり営業スマイルで言葉を並べた

os「お久しぶりです。……突然の訪問をお詫び申し上げます。我々国の宰相を務めさせていただいているオスマンと申します。」