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第六話 ページ6

相変わらず平日の昼間は暇だなぁ。



今時ネットで予約できないのが大きいのかもしれない。



することもなく電話番をしていると
待ちわびていた電話が鳴った。




『お電話ありがとうございます!
美容室SORRISOです』



「あのー、江口と言いますが、
今日の夕方あいてますか?」




江口という名前とその声には聞き覚えがあった。




確か先月飛び込みで来てくれた
長身のイケメンさんだ。



急いでお店のお客さんリストと
予約状況を確認する。



『先日いらしていただいた方ですよね?
今日だったら18時はいかがでしょう』



「覚えててくれたんですか?
それでお願いします!」



電話だから顔は見えないけど
電話の向こうであのさわやかな笑顔を浮かべている気がした。




『美容師の指名はございますか?』


「はい!高橋さんでお願いします!」


まだまだ駆け出しで
指名されることは少なかったから
いきなり名前を出されてびっくりした。



『私ですか!?』


「え!あ、はい!
…ダメですか?
この前の髪型すごい気にいってて」



電話にでたのが私だと気づいていなかったのか
江口さんも驚いたような声をあげた。



『いえ!お願いします!』



慌てて予約時間とメニューを確認する。



『ではお待ちしております』



電話を切ってほっと一息。


やっぱり改めて指名を受けてカットに入るのは緊張する。













片づけをしたり
自分の鋏を用意したりしていると
予約の時間の18時ちょうどにドアが開いた。



「いらっしゃいませ」


「あのー
予約してた江口ですけど」



恐る恐る入ってきたのは
この前の背の高い男の人だった。



『江口さんですね!おまちしてました』



私と目が合うと
江口さんは安心したように笑ってくれた。















あれ以来江口さんは月に1度か2度のペースで美容室に来てくれた。



相変わらず職業不明のままだけど
いろいろなことを話してくれた。


職場の先輩のこと
実は結構近くに住んでいること
好きな食べ物のこと…



それにうれしいことに江口さんは
毎回私を指名してくれていた。



先輩達には「高橋ちゃんの江口さん」
なんて言ってからかわれたりするほどに
常連さんになっていた。

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設定タグ:江口拓也 , 声優 , flower   
作品ジャンル:恋愛
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ちぃちゃん - すごく素敵なお話でキュンキュンしました・・! (2020年5月7日 10時) (レス) id: d5505982b6 (このIDを非表示/違反報告)
みみみ - とっても面白くてドキドキしました!最高です!!作品名を見た瞬間、「あ、私これ好きww」ってすぐに気に入っちゃいましましたww (2017年7月2日 9時) (レス) id: 246cbbf759 (このIDを非表示/違反報告)
春菜(プロフ) - お疲れ様です!やっぱり、最高のお話でした!!最終話なんて、心臓が持たなかったですwこんなの初めて!!これからも頑張ってください!また読みます! (2017年7月2日 9時) (レス) id: cc7bae8682 (このIDを非表示/違反報告)
さゆ。(プロフ) - お疲れ様でした!通知来た瞬間読みました!素敵な小説ありがとうございました。これからの作品も楽しみにしています! (2017年7月1日 23時) (レス) id: d39a9d04da (このIDを非表示/違反報告)
flower(プロフ) - コメントありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです!頑張ります! (2017年6月29日 23時) (レス) id: 1b5420c9a1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:flower | 作成日時:2017年6月15日 19時

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