第五話 ページ5
SIDE EGUCHI
「あ、拓也さん!お疲れっす」
個室に案内されるとすでに壮馬と花江君が座っていた。
この店は料理もおいしいし
ほとんどの席が個室だから皆気に入っていた。
一応有名人の部類に入るし
俺たちの会話は人には聞かせられないからね。
俺も隣に座ってビールを注文する。
ほどなくして梅ちゃんも到着した。
「あれ、江口さん髪切りました?」
目聡い梅ちゃんは席に着くなり
俺の髪型の変化に気付いてくれた。
「わかる?いい感じの美容室見つけたんだよね」
「今度教えてくださいよ」
「え、花江君て髪切るの?」
いつものようにくだらない話で盛り上がって。
普段よりテンションの高い俺は
ほろ酔い気分でお店を出た。
SolidSのみんなは年齢的には後輩だけど
あまり気を使わなくていいからこうやって飲みに来ることが多かった。
俺がたまたま見つけた
いい感じの美容室のこと
とってもかわいい美容師さんのことを
皆に自慢したい気持ちはあったけど…
いざ話そうとするともったいなくて
自分だけの秘密にしたくて
結局三人には言わずに帰ってきた。
・
・
家に帰ってお会計のときにもらった名刺を見つめる。
名前とお店の情報しか書かれていない
シンプルな名刺だった。
「高橋Aさん…」
昼間行った美容室とあの笑顔を思い浮かべる。
自分は一目ぼれなんてしないと思ってたけど
そこまで鈍感なわけではない。
たった一度会っただけのあの人に
気持ちが向いているのは明らかだった。
自分で同じようにセットできるように
角度を変えて自撮りをして
もったいない気はするけどお風呂に入った。
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ちぃちゃん - すごく素敵なお話でキュンキュンしました・・! (2020年5月7日 10時) (レス) id: d5505982b6 (このIDを非表示/違反報告)
みみみ - とっても面白くてドキドキしました!最高です!!作品名を見た瞬間、「あ、私これ好きww」ってすぐに気に入っちゃいましましたww (2017年7月2日 9時) (レス) id: 246cbbf759 (このIDを非表示/違反報告)
春菜(プロフ) - お疲れ様です!やっぱり、最高のお話でした!!最終話なんて、心臓が持たなかったですwこんなの初めて!!これからも頑張ってください!また読みます! (2017年7月2日 9時) (レス) id: cc7bae8682 (このIDを非表示/違反報告)
さゆ。(プロフ) - お疲れ様でした!通知来た瞬間読みました!素敵な小説ありがとうございました。これからの作品も楽しみにしています! (2017年7月1日 23時) (レス) id: d39a9d04da (このIDを非表示/違反報告)
flower(プロフ) - コメントありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです!頑張ります! (2017年6月29日 23時) (レス) id: 1b5420c9a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:flower | 作成日時:2017年6月15日 19時