第十六話 ページ16
SIDE SAITO
たまたまカフェで隣に座った女性。
自分から知らない人に声をかける勇気はないんだけど
もしかしたらと思ってじっと見てしまう。
不意にその女性が振り返って
懐かしい面影が見てとれた。
声をかけたらやっぱり本人で
懐かしい記憶がよみがえってくる。
同時に蓋をしていた気持ちが頭をもたげる。
あぁ、そうだ。
俺はこの子に恋をしてたんだ。
話をしているうちにその気持ちは
どんどん大きくなった。
切なくて甘酸っぱくて懐かしくて。
なんとも言えない気持ちになった。
仕事に追われていてすっかり忘れてたけど
久しぶりにリラックスできたというか
人間らしい部分がよみがえってくるというか。
幸せな気持ちになったりして
テンションが上がって連絡先を交換したりして。
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数日後すっかり浮かれてた俺は
事務所からのメールを見て焦った。
そういえばイベント用のVTRの撮影
明日に決まったんだっけ。
一応メイクさんはついてくれるけど
こんな伸びきった髪を皆さんにさらすわけにはいかない。
いつもの美容室に電話してみるけど
すでに今日の分の予約は埋まってしまったらしい。
藁にもすがる思いでAにLINEをしてみる。
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・
返事はすぐにかえってきて
撮影以上に緊張しながらAの勤める美容室に向かう。
よく考えたら髪を切ってもらってる間は
ずっと至近距離にいるわけだし。
暑がりだから汗かいてるの
見られたくないなとか
上手くしゃべれるかなとか
いろいろ考えているうちに
予約した時間は迫ってくる。
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いろいろ心配してたのが嘘みたいに
好きな人と過ごす時は一瞬で
気が付けば仕上げが終わってしまっていた。
俺がその仕上がりに感動していると
不意に後ろのドアが開いた。
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なんでここにいるの。
前に話していたいい感じの美容室って
もしかしなくてもここのこと?
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鏡越しに目が合ったのは
尊敬していて
お世話になっていて
一番近くにいる先輩だった。
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ちぃちゃん - すごく素敵なお話でキュンキュンしました・・! (2020年5月7日 10時) (レス) id: d5505982b6 (このIDを非表示/違反報告)
みみみ - とっても面白くてドキドキしました!最高です!!作品名を見た瞬間、「あ、私これ好きww」ってすぐに気に入っちゃいましましたww (2017年7月2日 9時) (レス) id: 246cbbf759 (このIDを非表示/違反報告)
春菜(プロフ) - お疲れ様です!やっぱり、最高のお話でした!!最終話なんて、心臓が持たなかったですwこんなの初めて!!これからも頑張ってください!また読みます! (2017年7月2日 9時) (レス) id: cc7bae8682 (このIDを非表示/違反報告)
さゆ。(プロフ) - お疲れ様でした!通知来た瞬間読みました!素敵な小説ありがとうございました。これからの作品も楽しみにしています! (2017年7月1日 23時) (レス) id: d39a9d04da (このIDを非表示/違反報告)
flower(プロフ) - コメントありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです!頑張ります! (2017年6月29日 23時) (レス) id: 1b5420c9a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:flower | 作成日時:2017年6月15日 19時