espoir

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京本 side


Aが俺を呼んでいると北斗から伝えられたから、
北斗の代わりに薬を持って向かうと


A｢…きょもちゃ、｣



｢ん〜？ご飯食べた？｣


A｢きょもちゃ、ごめんなさぃ…｣



｢…うん、俺も怒ってばっかでごめんね？でも、お約束は守って欲しいな｣


A｢A、わるいこ、｣


｢悪い子？いやいや、ちゃんと言ったらお約束守ってくれたじゃん、｣


特に泣くわけでもなく、
今怒ったわけでもなく。



A｢…がんばれないもん｣



｢…お薬？｣



なんの話だろうかと迷ったけど、その目線が俺の手にある事に気づいた。



｢なんで？悪い子になるの？｣



A｢…｣



んんん？
俺仲直りで呼ばれたんじゃないの？



｢待って、どうしたの？｣


A｢っ、｣


｢お薬頑張ろう？｣



そう言うと返事はなかった。





よくわかんないけど、子供ってそんなもんかな、なんて思って。


粉薬の封を開けてAの口元に持っていった時だった。




A｢やぁ！｣



｢っあ、A！！！｣



その俺の腕をばしっと叩いたA。

俺の手から無惨にパラパラと零れ落ちる薬。




咄嗟にAの名前を怒鳴った。




そんな俺に何事かと、


松｢、どうした？｣




｢お薬無駄にしちゃダメって、なんでわかんないの！｣




北斗の呼びかけなんか俺に聞こえなくて。




A｢っ、｣



｢ねぇなんで？増えたわけじゃないじゃん、自分で悪い子って分かってるなら直さなきゃダメでしょ？｣



A｢…｣



松｢…京本｣



しんとした空間に、北斗の声が届いた。




｢…ごめん、片付けるからAよろしく｣




このままでは頭ごなしに叱ってしまう、
そう判断して俺は北斗に一旦その場を預けた。

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