目黒さんちのおとなりさんは料理がお好き

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Raul Side


MV撮影の合間、時間が空いたから桜の写真を撮りに行こうって康二くんの提案にノって２人で来た公園。



公園に植えられている桜は満開で、風が吹くたび花弁が舞ってすごくきれい。



桜をバックに康二くんがシャッターを切る中、少し離れたところのベンチに座る１人の女性に目を止める。



あれ、もしかして。



康二「ラウール？どないしたん？」


ラウ「Aさん？」


康二「え？誰？」



俺の声が聞こえたのか顔を上げたけど、またすぐに視線を落としてしまった。



ラウ「康二くん、ごめん待ってて！」


康二「え？！どこいくん？！」


ラウ「Aさん！やっぱりそうだ！」



康二くんを置いて駆け寄っていくとAさんも気付いてくれたみたいで立ち上がって寄ってきてくれた。



ラウ「こんにちは！」


「こんにちは、こんな所で会うなんてすごい偶然だね」


ラウ「‪似てるなーって思ったら本当にAさんだったからびっくりしちゃった。お花見してるの？」



Aさんが座っていたベンチを見るとお弁当箱が広げられている。



何だろう、と興味津々に覗き込むとサンドイッチが並んでいた。



「ラウールくんも食べる？欲張って少し多めに持って来ちゃったんだ」


ラウ「えっ！？あ…でも僕１人じゃないから…」



少し離れたところにいる康二くんをちらりと見るとAさんも顔を覗かせる。


康二くんと目が合ったみたいでお互いにぺこりと会釈していた。



「お腹いっぱいになるぐらいはないけど大丈夫？」


ラウ「え、うん、大丈夫だけど…」


「じゃあラウールくんのお友達も一緒に食べよう」



パンッと手を叩いてそう言ったAさんに目をぱちぱちと瞬かせる。



そうだ、Aさんってこういう人だった。

○→←７．ラウールくんと康二くんとサンドイッチ

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