目黒さんちのおとなりさんは料理がお好き

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「ん、いい感じ」



オーブントースターを覗くとグラタンの表面にジリジリと焦げ目がつき始めている。



下拵えをある程度済ませていたおかげで少し時間の余裕が出来て、余ったマカロニでサラダまで作れてしまった。



唐揚げは前回と同じ３種類を用意したけど、わざと１つのお皿に一緒に盛り付けている。



これは子供の頃、私が食べるまで何味だろうってワクワク出来るように母親がやってくれていた事。



目黒さんは一度食べているけど、初めてのラウールくんなら楽しんで貰えるかもしれないと思って取り入れてみた。



チンッと軽快な音を立てたトースターを覗くとこんがり焦げ目がついたグラタン。



それを取り出そうとミトンを手にしたところでインターホンが鳴った。



カメラを確認すると長身の２人が並んで立っていて、ラウールくんがカメラに向かって手を振っていた。



「開いてるんで入ってくださーい」



それだけ伝えてミトンを手に着ける。



玄関から聞こえるラウールくんの賑やかな声に口元を緩ませながらテーブルへとグラタンを運んだ。

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