２度目のプロポーズ (ページ8)

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喫茶店に行かない？って理子ちゃんに誘われたけど、まだ片付けが残ってるからと断って１人で家路に着く。

初日から三橋くん、伊藤くん、理子ちゃんと仲良くなれたし、明日からまた学校に行くのが楽しみだ。

少し浮かれた足取りで歩いていれば、何か声が聞こえて足を止める。

聞こえてきたと思われる方向は夕方とはいえ少し薄暗い路地。

行っちゃダメと頭の中ではわかっていながらも好奇心には勝てない。

昔からそうなんだ。さとしくんと会ったのもその好奇心が仇となって盛大に転けてわんわんと大泣きしたんだったな、と苦笑いしながら更に奥を覗き込んだ。

『っ、ひ！』

目の前に広がる大勢の男の人が殴りあっている光景に、ひゅっと息を飲む。

灰色の制服がどこの学校かはわからないけど、スキンヘッドやリーゼントなどの髪型でツッパリなんだとすぐ理解する。

ここにいちゃいけない。震える足を動かし、見つからないようにゆっくりと後退ろうとすると背中にドンと何かが当たった。

ギギギと機械のようにゆっくりと振り返ると目の前で喧嘩を繰り広げている人達と同じ制服を着た人に驚いて尻餅をついてしまった。

『ひっ？！』

「ンなとこで覗いちゃって、軟高の女が何か用かよ？」

『こ、声が聞こえて、何かと思っただけで、すっすぐ帰りま、す？！』

「逃がすわけねェだろ、サツ呼ばれたらたまんねェからな」

ガンッと銀髪の人が蹴り上げたゴミ箱が転がっていく。

あんな風に私も蹴られてしまうのかもしれない。身体の震えが止まらない。

胸の前で鞄を抱き締めてぎゅっと目を瞑った瞬間、銀髪の人とは違う声が聞こえた。