２度目のプロポーズ (ページ6)

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昼休み、理子ちゃんが教室まで迎えに来てくれて、三橋くんと伊藤くんも交えて向かった先は屋上。

座っていいよと伊藤くんに椅子を勧められて、お言葉に甘えて座り、膝の上でお弁当を広げた。

理子ちゃんも同じように椅子に座って膝の上でお弁当を広げている。

「Aって昔こっちに住んでたのね」

『うん、小学校に上がるまでいたの。それから中学上がるまでは大阪で、その後はずっと東京』

「そうなんだ、何回も転校するなんて大変ね」

『友達と離れちゃうからそれが寂しかったなぁ。けどまたこっちに戻って来られたのは嬉しいんだよね』

理子ちゃんとの話に夢中になりながら少しずつお弁当を食べ進める。

三橋くんと伊藤くんも話に入って来ないけど聞いてるみたいで、たまに相槌を打つようにうんうんと首を動かしている。

「この町に何か良い思い出があるの？」

『実はね、初恋の人がいるの』

理子ちゃんの質問に少し恥ずかしくなりながらも答える。

すると理子ちゃんはもっと詳しく教えて、と目を輝かせた。

『引っ越すまでよく遊んでた男の子なんだけど、私が引っ越す時に離れたくないって大泣きしちゃって。その時にね、いつか嫁にもらうから泣くなって言ってくれたの』

「結婚の約束なんて可愛いわね」

『子供の約束だから信じてるわけじゃないんだけど、また会えたらいいなって』

「まだ会ってないの？」

『んー…それが、その男の子とは公園で遊んでただけで、家とか知らないの』

子供の頃、私が家の近くの公園で１人で遊んでいる時に躓いて転けてしまって泣いてたら助けてくれて、それから公園に行く度に一緒に遊ぶようになった男の子。

いつも帰る時はその子が家の近くまで送ってくれてたんだよね。

だからその子がどこに住んでるなんて知らなかったし、その頃は知ろうなんていう事もなかった。