２度目のプロポーズ (ページ2)

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真新しい灰色の制服に袖を通した姿が映る姿見鏡をじっと見る。

右を向いたり左を向いたりを繰り返しいれば、後ろから呆れたような声を掛けられ、鏡越しにお母さんと目が合った。

「何回見るの？早く行かないと転校早々遅刻するわよ」

『だってこの色の制服は初めてだから見慣れないんだもん。おかしくない？』

「おかしくないわよ。ほら、早く行ってらっしゃい」

『はーい、行ってきます！』

最後に鏡で前髪を正してから家を飛び出した。

覚えたばかりの道程を間違えないように歩いていく。

今までお父さんの仕事の関係で何度も転校を経験してきた。

けど何度経験したとしても初日だけはやっぱり緊張するもので、挨拶を噛まずに言えるかとか、そもそも友達がちゃんと出来るかとか、不安でいっぱいで無意識に溜め息が出た。

「三ちゃん！伊藤ちゃん！おはよう！」

「理子ちゃんおはよ」

「げ」

「もう！おはようでしょ？」

「そうだぞ、三橋」

少し先を歩く３人組に思わず、わ、と小さく声が出てしまい、慌てて口を押さえる。

聞こえてないよね？

金髪とツンツン頭の男の人は見るからにツッパリ、不良って感じだ。

女の子は一瞬見えたけど、すごく可愛かった。

あれ？隣の女の子の制服、もしかして私と同じ？

自分の制服と女の子の制服を何度も見比べてみる。

ということは、あの３人は軟葉高校の生徒ってこと‥？

「はいはい、おはようございますぅー」

「うわ、すげえ顔」

「ほんと、ひどい顔よ」

「ちゃんと挨拶したらこれかよ！！あーー！！もう知らん！」

「あっ三ちゃん！待って！」

金髪の人が１人でいきなり走り出して、それを見て残りの２人も慌てて追い掛けていった。

軟葉高校ってツッパリの人いるんだ。金髪にツンツン頭ってすごい。

今まで縁がなかったツッパリに少し不安を感じながら、軟葉高校へと足を進めた。