月花石色-366日短編小説‐

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？4「…私、なんだかお腹が痛くなっちゃった‥」

？5「ッちょっ！紗良、大丈夫！？ Aさんどうしよう！」


楽屋の隅で丸まる2人に近づく。
小さく震える背中に手を置いて…


『ほら、ユメも落ち着いて。紗良？まだ時間、大丈夫だから今のうちにトイレに行っておいで？
　ユメ、悪いけど付いて行ってあげてくれる？』


ユメ「わかりました。紗良行こう？？」



最年少の2人は、まるで双子のように息の合ったダンスを見せてくれる。
2人の楽しく踊る姿は、きっとファンの皆さんに元気を与えてくれるだろう。





　“大丈夫。”


　 “大丈夫。”





トイレに向かう二人を見送りながら

最後に廊下でアップをしている彼女のもとへと向かう


イヤホンをしながら本番ギリギリまで踊る彼女の表情も硬いまま

責任感の強い次女っこは、一見冷たい印象だけどグループのためならなんだってする

熱い心をもった彼女は、私にとってもグループにとっても必要だ。



『ジュリ。そろそろ楽屋で円陣組むよ？』



イヤホンをしている彼女。
実は、集中するためにイヤホンをしているだけで音量は下げていることを私は知っている。


年少組は、そのことを知らないから
いつも、声をかけるタイミングをそわそわしながら目を合わせている
それを見てついつい笑ってしまうのが日常


彼女は、寂しがり屋だから、声をかけると喜ぶのに。



ほら、イヤホンを外してこちらに向く彼女の顔は
先ほどの硬かった表情が少し和らいでいる。


ジュリ「うん。Aさん、いつもありがとう」

『何が?仲間なんだから当然でしょ？？』


ほらほら、行くよ！
っと彼女の背中を押しながら楽屋に入る。


ジュリ「ちょっと!押し過ぎですって！！ちゃんと行きますから！！」



じゃれ合いながら楽屋に入ると
既に、トイレから戻ってきた最年少と


ほんわか彼女とボーカル2人組が揃っていた



何も言わなくても自然と7人が円陣を組む。




『さ！開演まであと少しだよ。大丈夫。先輩たちもついてる。私たちなら上手くいくから。
周りを信じて、自分を信じて、ケガなどないように上げていきましょ。いきます！！






Are you ready！？』






「「「「「「「 GO!! 」」」」」」」








こんな慌ただしいグループだけれど

私は、この6人が大好き。





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