月花石色-366日短編小説‐

・ ページ37

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美術館を出たあと、俺達は彼女の家へ向かう。



部屋について彼女が飲み物を取ってくる間
俺は、袋から一冊の本を取り出した。





それは、あの美術展で飾られた絵画が1ページずつ解説文と一緒に載っている。





俺は、あの不思議な体験を彼女に話そうとあの絵画を探した。






でも、



どのページを捲ってもあの絵画はない。



表の目次や裏の索引にもあの絵画の名前すら載っていなかった…。





俺は、本を手に持ったまま茫然としていると
彼女が隣に座る。



『…樹？ どうしたの??』

固まる俺を心配そうに見つめる彼女。



彼女の手が俺に繋がれて。
俺はその手に指を絡めて力を込める。



「…さっき美術館で見た絵が1枚載ってないんだ…。」


『え？ その絵がどうかしたの？？』


優しく微笑む彼女を見て。
あの少女の絵の話を彼女にするべきなのか悩んだ。



そして、俺が選んだ答えは、



「俺が一番好きになった絵だったからAに見せたかっただけ…。」



…俺は、話さないことを選んだ。



『えぇ。気になるなー。樹が好きになった絵でしょ？？どんな絵なの？？』


ニコニコした彼女の質問に



「“内緒”」





俺に、大切なことを教えてくれた少女は俺の中に閉じ込めておく。

そして、少女が愛せなかった愛を、俺が全身全霊で彼女に伝えていこう。





そしたら、いつかきっとまたあの少女に会える気がした。



きっとこのいつかは…



…不確かじゃない。









12月5日 シンビジウム(白)
深層の麗人



END


。。。。。。。。。。。。。。

12月5日生まれの皆様
お誕生日おめでとうございます。


12月5日の誕生日花は
シンビジウム(白)です。


12月5日生まれのあなたは…
物静かなタイプの人が多いようですが、友人に恵まれて穏やかな楽しい日々を送れます。
自分の消極的な性格が気になるのでしょうか、ときどき、急に灰になって活発にふるまうことがありますが、無理に自分を変える必要などありません。あなたの落ち着きある態度は周囲の人を癒し、存在感は十分です。

。。。。。。。。。。。。。。

今回は、初THE RAMPAGE。


樹くんが見た絵画は本当にあったのでしょうか？
それと絵画の少女は一体誰だったのか…。

ちょっと不思議な話になりましたね。





次回は、三代目J Soul Brothersさんのあの方が登場します。


※誤字脱字を修正しました。


ESORA。


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