【第八話】▼過激な歓迎 ページ8
微塵も変わっていない光景に嬉しさを感じる。
「この者です」
番人が切迫詰まったように言うと、途端に父とぬらりひょんの顔色がサッと変わった。
おっと、これは脈ありだぞ!?
「父上、ぬらりひょん、お久しぶりですね……」
どうしたら良いのか分からず、挨拶をしてみた。
すると、ぬらりひょんが靴を鳴らして此方に近付いてきた。その表情は冷徹に染まり、眼も炯々と光っている。
俺が恐怖に打ち震えていると、次の瞬間、ぬらりひょんは俺の隣にいた番人を昔から愛用している杖でぶっ飛ばした。
「うっ!!」
番人は壁に叩きつけられ、周囲は何が起こったのか良く分からず呆然としていた。
「……無礼者ッ!!」
ぬらりひょんは険しい表情で声を荒げていた。
一体何をそんなに怒っているのだ。
「この方をどなたと心得る!大王様の第二の御子息であり、紫炎様の弟だぞ!」
俺の事かよ。
まぁでも一旦この場を収めなければならない。
「ぬらり、違う!そいつは悪くない!」
ぬらりひょんがピクリ、と反応した。
「……何故です?」
まだ冷静さを失っていないようで一安心する。
「俺を知ってる奴があまりいないから疑う気持ちが分かったんだ!えっと……その、閻魔宮殿に入るにはこれしか無かったんだ!」
途中から訳の分からない事を口走ったような気がするが、幸いにもぬらりは理解してくれたようだ。
事情(?)を聞き怒りを収めようで、ぶっ飛ばされた番人を回収しようとする。
「すまない」と謝りながら突然のあまり気絶した番人をこちらに引きずってくる。
全然謝っているように見えないのだが。
それはともかく、番人を黒鬼SPに託し俺達に向き直る。
「……この方は大王様の御子息であられるA様だ。今すぐ縄をほどき仕事場に戻れ」
「はっ……A様、どうかご無礼をお許しください……」
もう一人の番人が言われた通り縄をほどき涙ながらに懇願する。
「いえ、俺が言った事ですからこちらに非があります」
ぬらりひょんに番人を許すように言うと、彼は渋々承知してくれた。
しばらく時が経ち、番人や黒鬼SP達はそれぞれ元の仕事場に戻っていった。
大広間には父、ぬらりひょん、俺だけが残った。
静まりかえった大広間で、俺はこの後どう話を切り出そうかと考え、ふと父を見やると「ある物」が目に入った。
それを見た時、俺は硬直するしかなく、先程した深呼吸は何の意味も無くなった。
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紅夜叉 - 続き……ないんですか? (8月20日 0時) (レス) @page15 id: fd0ff1a17a (このIDを非表示/違反報告)
へきしょく(プロフ) - 面白いのでまた更新して欲しいです! (2020年10月11日 22時) (レス) id: 800e455777 (このIDを非表示/違反報告)
宵月夜(プロフ) - コメントしていただきありがとうございます!!ご期待に添えるように頑張ります!! (2019年3月10日 18時) (レス) id: 535f385a7d (このIDを非表示/違反報告)
魔戒 - 面白いです頑張ってください (2019年3月10日 16時) (レス) id: b1d63bb0ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宵月夜 | 作成日時:2019年3月10日 12時