【第七話】▼再会 ページ7
番人は低い声で俺に問いかける。
「……貴様、何者だ」
「……俺は、閻魔大王の息子だ」
「……は？」
慎重に答えた後、番人の俺に問いかけてきた番人がすっとんきょうな声を出す。
だろうな。
それ多分一番正しい反応。
「なっ、何を迷い
もう一人の番人も信じられない様子だった。
そこで俺は提案を持ちかける。
「……って言っても信じてくれないと思うので、俺を縛っちゃって下さい。
閻魔大王に突き出せば分かるはずです。あっ、手荒くしちゃって結構です」
早口でまくし立てると、ますます番人は驚いた。普通だったらこっそり入ろうとするもんな。俺は「捕まえて下さい」だからな。
「なっ……ほ、本当にか！？」
「はい、貴方達の気持ちも分かるので」
明らかに困惑しながら番人は俺の言われるがままに縄を持ってきて俺の体を縛り始めた。
……うわっ、結構縄ってキツイんだな……
「……では、大王様の所へ案内する」
「はい」
番人は歩き出し、いよいよ閻魔宮殿の中へと入った。
「少し待っていろ」
宮殿に入り少し経った頃、番人は廊下にいた黒鬼SPに近づいた。
俺の事でも話しているのだろうか。
番人が何か話している。黒鬼は俺の事を見て、随分驚いていた。
まぁ、閻魔大王の息子って響きだけで胡散臭いからな。
番人はそそくさと戻ってくると再び歩き出した。
俺が飛び出したのは随分前なのであちらは覚えているだろうか。
もしも拒まれたらどうするか？たまらなく怖い。
よく通った絨毯の上を歩きながらぼんやりとそう考えていると、いつの間にか大広間の扉の前に来ていた。
まず最初に、懐かしい、と思った。
幼い頃通った父とぬらりひょんがいる部屋。
緊張してきて、深呼吸を二、三回した。
番人が扉を叩く。
後ろをちらと見ると、黒鬼SPがずらりと並んでいた。
何かあった時に対処出来るようにという事か。
「何事だ」
確かに、父の声がした。
出そうになった涙をこらえる。
「不届き者を捕らえて参りました」
不届き者って……俺かよ。違うし。
「ほう、どういう事だ」
次に紛れもないぬらりひょんの声がする。
「そのですね、自らを大王様の息子などと申す者がおりまして」
少しの間沈黙が続いた。
「……そうか、通してくれ」
「はっ」
黒鬼SPが力ずくで扉を押した。ギィィッと不快な音を立てながら扉が開く。
大広間には、父と、ぬらりひょんの姿があった。
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紅夜叉 - 続き……ないんですか？ (8月20日 0時) (
レス) @page15 id: fd0ff1a17a (このIDを非表示/違反報告)
へきしょく(プロフ) - 面白いのでまた更新して欲しいです！ (2020年10月11日 22時) (レス) id: 800e455777 (このIDを非表示/違反報告)
宵月夜(プロフ) - コメントしていただきありがとうございます！！ご期待に添えるように頑張ります！！ (2019年3月10日 18時) (レス) id: 535f385a7d (このIDを非表示/違反報告)
魔戒 - 面白いです頑張ってください (2019年3月10日 16時) (レス) id: b1d63bb0ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宵月夜 | 作成日時：2019年3月10日 12時
