【雪男】俺らのイケメンマネージャー【男主】 (ページ45)

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お風呂も入り終わって、今はリビングでまったりとしながら……

｢″石は石でも、お前は宝石なんだよ″」

ハニレモの鑑賞会。俺は、すっごく嫌がったのに、結局Aさんに押し切られて、見るハメになってしまった。

『うわ〜やっぱラウかっこいいわ』

ラウ「うぅ、恥ずかしいからもうやめましょうって…」

『だめだめ。まだ始まったばっかでしょ』

そう言って目を輝かせながら画面を見つめるAさん。
でも、俺はずーっとドキドキしっぱなし。自分が演じている所を見るだけでも、ただでさえ恥ずかしいのに、好きな人と一緒に見るとか、なんの拷問なの？！Aさんは人の気なんて知らないで楽しそうに見てるし、本当にタチが悪い。

それでも必死になりながら、顔を手で隠しながら指の間から何とか画面を見つめる。

「″嫌なら振り解けば？″」

「″お前ホント俺の事好きだよな″」

「″お前、もう俺の心に入ってくんな…″」

「″お前以外誰がいるんだよ？″」

「″好き、俺も好き″」

ラウ「………」

画面の中の俺は、俺だけど俺じゃなくて……

自分で言っていたはずのセリフが、まるで他の人が言っているかのような、不思議な気持ちになっていく。
そのセリフは、確かに俺から発せられているのに、普段の俺とは全然違っていて、なんだか、自分と自分を比べてしまう。
純粋な思いをストレートに羽花ちゃんに伝える界くんは本当にかっこよくて、キラキラしていて…。
現実の自分とのギャップに何故か酷く落ち込んでしまう。

俺は、界くんみたく、自分の気持ちをストレートに、Aさんに伝える事なんてできないなぁ…。

画面の中の自分のようになりたい、なんてなんだか変な事を考えた。