【雪男】俺らのイケメンマネージャー【男主】 (ページ32)

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それにしても、遊馬さんが煙草吸ってるなんて知らなかったなぁとふとそんな事を考える。
俺は結構鼻がいい方だと思うけど今まで遊馬さんからは柔軟剤とか香水の匂いしかしていなかったと思った。煙草の匂いなんてすぐに気づくだろうし…て事は今日が初めての喫煙？いやいや、それにしては手つきが慣れてたしなぁ…。

佐久間「…遊馬さんって今まで煙草吸ってましたっけ？」

『ラウールさんが煙草苦手って聞いたから、辞めたんですけどね…ちょっと、吸いたくなっちゃって…』

そう言って微笑む遊馬さんを見て、やっと気がつく。いつもの優しい顔と違って、今の遊馬さんの笑顔は無理矢理笑っているというか、酷く疲れてた顔をしている。最近毎日忙しそうにしていたし、疲れやストレスが溜まっているのだろう。煙草を再開する原因の第1位ってストレスが原因って聞いたことあるし、遊馬さんもそうなのかなぁ…。

佐久間「…もしかしてストレス溜まってます？」

『いえいえ、そんなことないですよ』

そう言って微笑むがいつもとは明らかに顔色が違う。うーん、どストレートに聞きすぎたかな…。俺、遊馬さんの笑顔大好きだから、無理して笑って欲しくないなぁ…。

どうやったらこの人のストレスを軽減できるかと頭を回転させる。

佐久間「………30秒間ハグしたらストレスが3割無くなるって知ってます？」

『え、いや、俺は…』

佐久間「俺、実はストレス溜まってるんですよね。遊馬さん、抱きしめてくれませんか？」

そう言って両手を広げると、すぐに意図を汲み取ったのか申し訳なさ無さそうに笑いながらゆっくりと抱きしめられた。

『……ありがとうございます、佐久間さん』

遊馬さんの腕のチカラが少し強まって、ぐっと距離が近くなる。それに応えるように俺も少し力を強める。
身長差があるから、傍から見たら俺が抱きついてるように見えそうだ。……と言うか、よくよく考えたら誰かが通りかかるかもしれない廊下のど真ん中で抱きしめ合うとは恥ずかしすぎるんだけど…！？

でも、そんな事にも気づかない程、遊馬さんは弱ってたのかなと思うとまぁ別に見られてもいいかと思い、そのまま暫く抱きしめあった。
ここまで辛くなっていたのに気づけなかったことが申し訳なくなるが、それ以上に弱っている遊馬さんが可愛すぎて、ついつい笑ってしまう。

佐久間「辛い時は頼っていいんですよ」

そう囁くと遊馬さんは俺の肩の上でコクリと頷いた。