【雪男】俺らのイケメンマネージャー【男主】 (ページ29)

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名前呼びページ29

宮舘「Aさん、今日の収録の事なんですけど……………あ」

ハッとして口に手を当てるが時すでに遅し。
目の前にいるAさんは既に俺の方に振り返っていて、確実に俺の声が聞こえていたことを意味していた。

しまった、ついにやってしまった。

俺はいつもAさんの事を苗字で呼んでいるのだが、心の中では名前呼びをしていた。心の中でしかしていないのは、ただ勇気が出なかったというだけ。名前で呼びたい気持ちはずっとあったのだが、中々出来なくて…。タイミングを逃して逃して逃しまくって、気づけば心の中でしか呼ぶことが出来ずにいた。
まぁ今更「名前で呼んでもいいですか？」って聞くのも恥ずかしいし、みんな苗字で呼んでるし、このままでもいいかなぁなんて思っていたのに、まさかこんな形でボロが出るとは。
いや、気をつけてはいたし、心の中と声と呼び分けるのも大分慣れてきたというか、意識しないでできるようになっていたからだいぶ油断していたんだけど…。

『なんですか？涼太さん』

宮舘「え、」

何とか言い訳しようと頭をフル回転させていたら、Aさんが急に俺の事を名前で呼ぶから、回転していた頭が見事な急ブレーキを掛けてまたもや一時停止した。

宮舘「きゅ、急に名前で呼ばないで下さいよ…」

『だって、宮舘さんが先に俺の事Aさんって呼んだから…。お返しですよ』

そう言ってニヤッと笑うAさんに不覚にもときめいてしまう。

宮舘「す、すみません…」

『いえいえ。宮舘さん、たまに名前で呼んでくれるので今更気にしませんよ』

宮舘「…………え？」

Aさんの言葉に俺はまた固まってしまった。