ホクロ ページ14
渡辺side
今日の雑誌の撮影が終わり、俺は控え室の机に頬杖をつきながら、入口で監督と仲良さげに話す遊馬さんを見つめていた。
ここからじゃ何の話しをしているかは聞こえないけれど、きっとこの前のan・amの事なんだろうと勝手に妄想し、勝手にイライラする。
渡辺(めめと一緒にあんな撮影しやがって…しかも秘密にされるし…気づけなかったし…)
むかつく。面白くない。
色んな考えがぐるぐると頭の中で回って、机に突っ伏した。
渡辺(俺ってこんな独占欲強かったっけ…?)
遊馬さんは俺のものって訳じゃないから文句を言う権利も、独占する権利も勿論無いけれど。やはり嫉妬はする。あとついでに、涼太が言うまで気づけなかった自分に対しても腹立つし。ホクロなんて、今まで全然気づかなかった。
あー、超むかつく。
渡辺「くそ…」
『どうかしました?』
渡辺「遊馬さん!」
さっきまで遠くにいた遊馬さんの声が耳元で聞こえ、びっくりして顔をあげる。
渡辺「話、終わったんですか?」
『今終わりましたよ。渡辺さん、褒められてましたよ〜。次回もよろしくだそうです』
渡辺「ふーん……」
適当に相槌をうちながら片付けを始める遊馬さんの手元に目を向ける。その手には表紙に写っていたホクロがあって、何となく指でつっついた。
『ん?なんですか?』
渡辺「ホクロ」
『ホクロ?』
渡辺「手のホクロ。そんなとこにあるの気づかなかので」
俺がそう言うと不思議そうに自分の手を見つめる
『あぁ、親指の付け根のこれですか?…急にどうしたんですか?』
渡辺「an・amの表紙見て気づいたんだよね」
『あ〜、写ってましたもんねこのホク……え、待って、なんで知ってるんですか?』
俺の言葉に遊馬さんはピシッ……と、分かりやすく固まった。
渡辺「みんな知ってる」
『え、は!嘘でしょ!?目黒さんに内緒ねって言ったのに!!』
俺がそう言うと激しく動揺する。
遊馬さんが取り乱してる所なんて始めてみるから、思わず笑いそうになった。
1172人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:村瀬 | 作成日時:2021年8月12日 19時