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雑誌 ページ11

目黒side



目黒「え、中止?」

スタ「本当にすみません…!」


今日はan・amの表紙の撮影日。
メイクとヘアセットも終え、遅れてる共演者を控え室で待っていると、監督とスタッフさんが入ってきて、何かと思えば今日の撮影が急に中止になったそうだ。


監督「ごめんねぇ、相手の子が入口の検温で引っかかっちゃったみたいで」

目黒「熱あったんすか?」

スタ「事務所出る前は大丈夫だったみたいだから、多分今日の気温のせいだと思うんだけどね…」


そう言えば、今日は今年になって1番暑くなると阿部ちゃんが言ってたっけ。
本来であれば時間を置いて再度測るとか、そういう処置を取るそうだが、先日ここのスタッフで1人、陽性者が出たそうで対応を強化してる真っ最中らしい。


目黒「俺一人じゃ駄目なんすか?」

監督「今回は初めての男2人の絡みの表紙って決まっちゃってるし、もう喧伝済みだからねぇ…」


「多様性の時代」と題して今回は男2人、次回は女2人での絡みの表紙になるとSNSで発表済みであったことを思い出した。


スタ「という訳で、明日にでも撮りたいんだけど時間あるかな?」

目黒「明日…あったかな…」


明日は確か、撮影があったような…そんなふうに思考を巡らせたその時、丁度遊馬さんが慌てた様子で入ってきた。


『すみません、遅れました!』

目黒「あ、遊馬さん。あのさ、相手の人来れなくなっちゃったんだけど、俺明日暇?」

『え?な、何?何の話ですか…??』


遊馬さんはこてん、と頭を傾げた。



***



急のことでハテナを浮かべる遊馬さんにスタッフの人が1から説明していく。事態を飲み込んだ遊馬さんは困ったようにうーん、と唸り声をあげた。


『あー、目黒の予定ですね…。直近でも4日後になってしまいますね…相手の方と予定を合わせられるかどうか…』

監督「……」

スタ「なら、すぐにあちら側のマネージャーさんに確認を…」

監督「…君、いいね」

『はい?』


監督がポツリと呟き、遊馬さんの肩に手を置いた。


監督「目黒くんも時間取れないんでしょ?俺達もいつでも撮影できるってわけじゃない。雑誌の発売日だって決まってる…。だから、君が相手役になって撮影出来ないかな?」





目黒「えっ……」
「………はい?』

目黒(なんか、大変な事になってきた気がする…)

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作者名:村瀬 | 作成日時:2021年8月12日 19時

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